誰もが願い、誰も作れないもの
ウエスタンスピリッツは、そんなケーブルを作りたかったのです。
私自身、若い頃あまりケーブルに拘りがありませんでした。
色々購入して試しましたが、昔どこでも購入出来たSONYのケーブルが、柔らかく配線し易くまともな音に感じました。
そしてSONYのケーブルの中にスピーカーケーブルですが、リッツ線があったので購入し繋いでみました。
「なんていう綺麗な音だろう、低音もしっかり鳴る」そう思い何の疑いもなく使っていました。
そして所帯を持つ時、友人から情報がありました「オーディオテクニカから無酸素銅の単線スピーカーケーブルと、同じく無酸素銅のラインケーブルが発売された、試しに使ってみたらどうか?」との事でした、スピーカーケーブルは切り売りで一メートル二万円、ピンケーブルは長さが決まっていましたが、スピーカーケーブルと同じ位の値段でした。
家内と暮らす初めての所帯、ワクワクしながら繋いだものです。
その時のスピーカーはJBLで、ツーウェイマルチシステムでした、繋いだ瞬間目の前が真っ暗になりました。
明るくうるさい音で低音が出ず、五分と聴いていられませんでしたが、新築の賃貸物件だったので、まだ部屋が馴染んでないと思い、しばらく聴いていたのですが、変化せずでした。
困っていたところ勤務先のオーディオ売り場で、ベルデンのオレンジブラックの被膜で強く捩ったケーブルを聴いてみたところ、落ち着いた音に感じました。
必要な長さを購入し繋いで聴いてみました、確かに落ち着いた音になったので、数年そのまま使っていました。
しかし何かが足りないのです、そして我々は世田谷に引っ越しました、東京近郊のビンテージオーディオショップで、ウエスタンの単線スピーカーケーブルを紹介され、購入し繋いでみたのです、アイボリーとグリーンの被膜で軽く捩ったケーブルでした、その時は今までで一番いいと感じました。
JBLととても合っていて気に入ったのですが、やはり何かが足りないのです、中域が薄い気がしていました。
そして同じお店で師匠と出会い、翌週スピーカーケーブルとピンケーブルをウエスタンのトランスから解いた線でケーブルを作っていただきました 。
繋いだ瞬間目が点になりました 、私が欲しかった音が総てそのウエスタンケーブルで鳴ったからです、そしてオーディオのなんたるかを色々ご伝授いただきました。
そしてそこからケーブルを研究し、色々なパターンで作り、ウエスタンスピリッツはリッツ線が最高と結論を出したのです。
しかしやはり世間ではどのようなケーブルが流行り、その音とはどの様なものなのか知る必要があります、なので高級なものから安価なものまで総て購入し使って来ました。
しかし皆さんお分かりのように、ただ太くなっただけで、音質は改善されず、寧ろ悪くなったと感じます。
こう思いました「見た目だけのハッタリケーブルだ」これなら切り売りケーブルを使い工夫次第では誰にでも作れる。
音とはこうではない、そう思いひたすら研究し素材からオーダーし、今のウエスタンスピリッツのリッツ線は完成したのですが。
若い頃使っていたSONYのリッツ線を思い出したのです。
妥協なく作るとは実に大変でした、素材の素線も確かに音を作るのに大切ですが 、やはり作り方にあると思うのです 。
ウエスタンスピリッツは誰もが願い、誰もが作れなかった、そして聴いた方が分かる、心に訴えるケーブルを作ったつもりです。
そして本当の音とはどんなものなのかを知ってほしかったのです。
とは言っても、たいていの方は市販のケーブルしか分からないので、もし切り売りケーブルで自作しても、それは市販のケーブルでその域を超える事はないのです。
ウエスタンスピリッツは根本からケーブルの役目を理解し、一から作ったケーブルです。
全く違うところから色々研究し、作ったケーブルが同じな訳がないのです。
いわゆるまともな音にするケーブルです、つまりケーブルを繋いでないかのようなケーブルを作ったつもりです。
このブログの下に、長年お付き合いのある床屋さんの体験談のリンクを貼ってあります。
床屋さんは私のブログを読まれて、もっと上手く伝える事が出来ないものかと、色々書いてくれてるそうです、しかしご本人いわく音を文章にする難しさが分かったと話されました。
もう公開されてから十二話になります、色々賛否両論あるでしょうが、ケーブルを繋ぎ換えた音の変化とは床屋さんが書いてるとおりで、あのようにしか書けないと思います。
でも色々な方向から書かれた文章は、普通のケーブルでは味わえない内容だと思います。
ありがたい事です、是非読んでみて下さい。
本日の珈琲はモカマタリ、私は大好きです。