おかしなレベル調整
LCネットワークでのお話だが、ご本人はマルチでも同じだと思っているらしい。
例えばスリーウェイのスピーカーシステムだったとする、低音を増やしたい、ツィーターやドライバーのレベルを絞り込んで、ウーハーを際だたせ低音を安易に増やそうと言う考えである。
お考えを聞いた時はあいた口が塞がらなかった、ユニットそれぞれの役目を全く理解していない。
ユニットとはそれぞれの帯域を受け持つ役割がある、メーカーや振動板の質が違っていても、ソリッドステートのアンプを使えば揃います。
しかし能率の差だけは、ピッタリ揃ってないと同期しません。
マルチの方ならば、ウーハー、ドライバー、ツィーターと一つ一つを聴いてみると分かる。
それぞれを単独で聴いてみても、ウーハーはただモコモコ鳴ってるだけ、ドライバーはさぞかし中音が鳴ってると思いきやポワンポワン鳴ってるだけ、ツィーターなどはウエタンスピリッツのように8キロでカットしてるならば、全く音にならず何となくたまにほんの僅かに聞こえるだけ。
ところがウーハー、ドライバー、ツィーターと聴きながら一つ一つ足していくとどうだろう。
特にウーハーしか鳴っていないところにドライバーを追加すると、モコモコした音はなくなり、初めて音楽としてしっかり鳴る、そしてツィーターを追加すると、一気にエアー感が追加され、初めて整い音楽を感じる。
ツーウェイでも、スリーウェイでも、フォーウェイでもそれは全く同じ事である、スピーカーシステムというものは、三位一体がどれだけ大切なのかを思い知ることだろう。
なので他の帯域やレベルが出っ張ったりへこんだりしては、帯域バランスが崩れるのは当たり前なのである。
ある周波数だけを際立たせる事など出来ないし、全くのナンセンスなのである、しかしオーディオとは殆どの方がこのレベルなのである。
しかしこの考えに至る迄の努力だけは認めるが、間違えた考えである。
スピーカーシステムは絶対に帯域バランスだけは崩してはいけない、帯域バランスを崩した独特な素敵な音など何処にもない。
マルチにしたら自分だけのスピーカーシステムを作る事が出来る、若かりし頃の私もそう思っていた、しかしマルチにしてもそんなものは何処にもなかった。
更にその先にあるのが、位相合わせとユニットをまとめ同期させる事なのです。
理解出来てもなかなか形に出来ません。
オーディオは正しく理解する事が大切だと思いませんか。