捩ったケーブルやダブルシールドケーブルは音が悪い
昔、随分色々なパターンでオーディオケーブルを作り、色々なタイプの方と散々聴き比べをしたものだった、とにかくプラスとマイナスのケーブルを軽くても捩ったケーブルの音は、音が異様に二本のスピーカーのセンターに寄り、あたかもスピーカーが消えたような錯覚をおこす事に気が付いた。
もっと簡単に話すと音は閉塞的になる、そこにダブルシールドなどをしてしまうと更にどうにもならない音になってしまう、そしてもしもスピーカーの内振りセッティングが合わさるともう完全にアウトになります。
二本のスピーカーの存在が消えるとはそんなチープな鳴り方ではない、開放的で低音は低い音階まで色濃く沈み、全ての楽器はスピーカーから剥がれ、そこからハーモニーとなり合わさる、気持ちの良い事この上ない、何時間聴いても全く違和感がなく疲れる事はない。
散々ケーブルを作り研究してきたが、その様な音のオーディオケーブルを作るには、正しい知識と経験をしっかり積んで間違いのないリッツ線を作るしかないとの考えに至った、皮膜も天然素材を薄く使わなければ、ケーブルが主張する事になってしまう。
オーディオケーブルは脇役と思われがちだがそんなことはない、それどころかケーブルがないとオーディオは鳴らない、ケーブルがエージングで音が変わらないのは、プロ用の機材を使っているため、全てをバランス接続しているからだと思う。
バランス接続(全て600Ωのトランス結合)はプロ機には当たり前ですが、駆動力はあるが音が平坦(フラット)になり過ぎる、聴いていてあまり色気のようなものを感じない。
それと最近テフロンチューブが流行っているようであるが、テフロンチューブは1センチ以上使用するとやはりテフロンチューブの音が付く、テフロンチューブは確かに誘電率が少なく皮膜としては素晴らしいがやはり一長一短ある、スミチューブも使いやすいが、そのぶんやはり熱に弱くスミチューブ独特な音色が付くため短い長さでしか使えない。
そして端子のスイッチクラフト社の端子もやはりゴールドにメッキされたものより、聞き比べると仕上げはシルバータイプの方が音は格段に優れている、そして端子のエンドのところに装着するバネ式のケーブルの曲がりすぎをガードするもの、あれは絶対に付けるべきではない、何度試しても音質は劣化する、ギターやマイクロフォンなどの人が動く所に使うもので、やはり用途が全く違うのです。
とにかくシンプルに音の為にケーブルを作りたいなら、余計なものは追加させてはならない、とはいえやはり絶対的に必要なものはあるが、最後にウエスタン単線はもう時代遅れもいいところである、経年劣化で皮膜に信頼性が乏しい、音の為に作りたいからウエスタンスピリッツは、ウエスタン単線を使うのを止めたのです。
そしてリッツ線を一から研究し色々このような事まで検証し、努力を重ね難題を解決して、今のリッツ線に到達したのです、しかしこれらを正確に聞き分けるには、こちらのオーディオシステムがまともな音を鳴らしていないと、とんでもない事になると思いひたすら間違いなくシンプルにしっかり修正する必要があった、その時に色々分かって来たのである、私はそのやり方が間違っていたとはどうしても思えないのである。
そして、散々オーディオをやって来てこう思った、如何にして自分を騙し気持ちよく感じさせる事が出来るか、それがオーディオなのかもしれないと、そしてまるで何かに導かれているようだった。