OrtfonSPUA/E
最近まだまだだが、かなりの音になってきた、今になって思うが、使いはじめの音はぎこちなく、少し歪むレコードがあった、それも今はなくなった、カートリッヂはいつもそうだが、レコードを四面位聞いた辺りから、音が抜群に聞きやすくなる。
特にお客様が訪問される時など、何時間も前からレコードをかけておくのだが、お客様を最寄りの駅まで、お迎えに行くのに、三十分位再生を止めておくと、再度鳴らしても、やはり目覚めが悪い。
ダンパーが冷えるのか、コイルの電気的な問題なのかよく分からないが、最低一時間は音がぎこちない、情報量が違うのと、何となく粗く潤いや切れ込みが足りないと私は感じるのだ。
最近DL-103から交換してから聞く時間が長くなった気がする、そして違和感が少なく弾んだ感じなので、聞いていて楽しいのだ。
癖がなく、ちゃんと楽器本来の音がすると言った方が良いのか、それが音楽的に感じるのだ。
私はDL-103を、優れてないカートリッヂと話している訳でない、今でも私が使いこなせなかったと思っている。
デノンのカートリッヂは、当たり前だがデノンの音がする、OrtfonのカートリッヂはOrtfonの音がする、私はクラスによって違うのかと思っていた、しかし違う、自分のケーブル作りで気がついたのであるが、ウエスタンスピリッツのケーブルには、ウエスタンスピリッツの音がある。
それは線の数とか、線の質に限らず、私の好きな音なのかも知れない、それに、私が作るとその音になるのかも知れない、でも憶測ではあるが、やはり後者の作り方なのだと思う。
私が作れば、質によって確かにかわるが、特に被膜である、絹糸でなくとも、綿でも麻でも確かにウエスタンスピリッツのパンッ!っとはった音になる。
では、ウエスタンスピリッツの音とはどんな音なのかであるが、各々の楽器の分離がよく、アタック音がクリアーで、音が太く引き締まっている。
簡単に言えば上記のような音なのである、これは私が石油系の被膜を嫌い、天然素材の糸状のものを強く巻き付けて作っている所にもあると思う。
しかし不思議なのは、絹をポリエステルの同じ太さの糸に変更して、巻き付けて作ってみても、やはりウエスタンスピリッツの音になる、とするとウエスタンスピリッツの音とは、糸状の被膜を強く巻き付けて作るから、今の様な音になるのではとも思うのだが、絹糸の音と比べ、確かにポリエステルの音はつまった様な音になるのである、しかしそれでも、他の市販のケーブルと比べ、その音質は劣る事はないと私は思う。
話しはそれてしまったが、カートリッヂも似たようなものなのではないかと私は考える、とにかく一つのブランドが持つ、そこだけは絶対に他を真似しない、といったような受け継がれた伝統の様なものがどこのメーカーにも強くあるのだと思う。
今回例に挙げない他のメーカーもそのサウンドポリシーは確実に存在する。
あえて挙げるが、シュアーの高域の少し尖った突き抜ける様なサウンドは、その最たるものだと思う、昔からずっと変わらない。
そしてこれも最近交換したシェルリード線の音質も最近やっと落ち着いたと思う。
SPUを普通のシェルに取り付ける為に黒檀で作ったスぺーサーも、とても上手くいったと思う、適度にヘッドシェルの金属的な嫌な音を抑え、のびのびとした音質にしてくれる気がする。
SPUは、今とても上手く鳴っています。