ネットワークを自作。
今回私は遂にネットワークを極限まで追い詰めた。
しかし、ここに至るまでは失敗の連続であった、情けない話三十年前にさんざんやっていたのであるが、知識がないのと世間にはびこる間違えた様々な情報で当時は完成に至らず、一度マルチをやってみたが位相管理等が上手くいかず、結局はずっとJBLオリジナルを使ってきた。
二年前に購入したJBLのLX5は青箱で音が柔らかくまあまあでしたが、購入2ヶ月位から急に右チャンネルの高域だけ音が小音量の時に鳴らなくなった。
開けて見ると、コンデンサーやコイルが、松脂と蝋をミックスしたもので固められていた、アッテネーターの錆を落とし半田を出来る限り再度やり直した、しかし、症状は変わらずだった、いかにJBLとは言えやはり販売されてからかなりの年月が経っている訳だ、保管があまりよろしくなかったのだろう、そう思った、大した構想もなく私は秋葉原に行った、ネットワークを自作する部品の品定めだ、しかし三十年の時の流れは街を大きく変えていた…途方にくれて歩いていると、ガード下にK無線が残っていた、そこの店員さんに自分が使っているユニットや今まで使っていたネットワークの型番と自分がカットしたい周波数を伝えた、はじめは実に素っ気ない返事であった、よく考えてみればそれは当たり前の対応だ、その店は自作される方がたくさんのパーツの中から客が自分で部品を選び自作して楽しむ、そういったかなりマニアックな店舗なのである、これが絶対に良いなど言える訳がない、それでも私は話をよく聞き、その店員さんに取り合えず部品を選んでもらい、800Hz12dBカッ
トのパーツとアッテネーターを購入してきた、一番初歩的なネットワークである。
次の日に早速我が家にあった板にネットワークを作った、そのパーツ代金は全部でなんと両チャンネルで13000円しなかったと思う。
しかし、その安い部品で作ったネットワークはJBLのオリジナルを遥かに越えた。
上下の繋がりがスムースでウーハーもドライバーも潤った、その時の私はそう思った、しかしそう思ったのは私の錯覚だったのだ、自分で作りその達成感もあったのだろう、音が変わったのと良くなったのは別の話だったのだ。
単純な事だ、古くなったJBLのネットワークの部品が劣化したものより、新しい部品で作ったネットワークが優れているのは当たり前の事だ。
ここからまさにネットワーク作りに私はずっぽりはまってしまう事になる訳だ。出口のない迷路に足を踏み入れてしまった、何をやっても上手く行かない、もの凄い閉塞感を味わう日々となってしまった。
うわあ~やっちまったぜ!今日はここまで。