オーディオラックの下で、低い周波数振動を吸収させる
写真でご確認下さい、ラックを下ろし、ラックの下に付いていた六つのキャスターと耐震ジェルを外して、赤タモの板を一旦外し、3㎝厚のバスマットを敷いて、赤タモの板をその上に重ねラックを設置してみた。
ラックは特注の120㎏である、汗が吹き出して息が切れた、実に大変な作業だったが、総て一人で行った。
ラックの下や機材、スピーカーの下に木材を敷いただけでは、スピーカーからの震える様な重低音の振動は吸収出来ない。そして結局今のままでは、その振動が音を濁らせ、情報量を減らす事になると気が付いた。
システムがしっかり鳴って来ると、聞いていて静かだが物凄いエネルギーである。そして床を伝いラックに伝わり機材に伝わり、システムの音を濁らせる。私は悩んできた。
これもいつもの大切なお客様からの情報なのだが、オーディオラックの下に敷いた板を一旦外し、床にバスマットを敷いてその上に板やラックを重ねて設置する方法である。
これでお客様は、スピーカーからの振動を吸収出来て、かなりS/Nが向上したらしいのである。最初、話を聞いた時は駄目だと反論した。実際にバスマットを手に取ってみて「成る程」と納得した。
バスマットは質量も少なく適度な固さもあり、低反発なのである。そして、好きな大きさにカッターで簡単にカット出来る。固有の音も極めて少ない、その上に分厚い板や重量のあるラックや機材が乗る訳である。
バスマット固有の音など、ほぼ吸収されてしまうだろう、と思った。
しかし、敷く場所を良く考えこの素材を探しだしたものだと感心する。オーディオに有害な振動のメカニズムを理解していないと、なかなかこの方法は編み出せないと思う。
オーディオとは、こんなどうでもいい様な小さな事が確実に重なって、進歩する。
しかし肝心なのは、順序と方法(素材の選択)のセンスである。板を敷く前にバスマットをラックの下に直に敷いたら、多分駄目だっただろうと思う。その結果恐ろしい事なのだが、バスマットは駄目だとなってしまう。分厚い木材の下にバスマット、誠に恐れ入った。
あらゆるものの中からバスマットをチョイスしたセンスを私は尊敬する。そして百聞は一見にしかず、私も同じに敷いてみた。
効果は、目を見張るものだった。穏やか静か滑らかで、クリアーな音になった。力も全く失せていない。音の分離と解像度に優れている。
そして、バスマットを敷く前との大きな違いは二点あった。先ずアナログのハウリングマージンが更に倍になったこと、これは驚きの結果である。それと明らかに、バスマットを敷く前より低音がスッキリしていてクリアーになった事である、激変だった。
この結果総ては、スピーカーからラックへの振動がバスマットを敷いた事により、ラックから上の低い周波数の振動も減衰したからである。
個人的に話を聞いても行動しない人を私はあまり好きになれない。いくら頭で考えても答えはでないのである。
失敗を繰り返しながらも、折れずに行動を起こす事が大切である。私はこのブログをとおし、結局それがみなさんに言いたいのである。
私は実際にやってみた、やらずに申している訳ではない。もう答えは出ているのである、敷いた方がいい。
しかし、やはりキャスターは良くない、利便性と良い音はなかなか共存しない様である。試しにバスマットを敷く前に張り合わせた板の底にキャスターを付けてみたが、音はお話にならなかった。それはスピーカー下の下も同じだった。
いくら使い方だと言われても、もう答えは出たのである。答えはスピーカーでもラックでも同じである、キャスターは外さなければならない。
ラックの下に分厚い板と、バスマット、誰か試してほしい。因みに私が購入したバスマットは厚さが3㎝である。
母が、最近音楽聞いてないの?と聞いてきた、「いや前よりむしろ大きな音で聞いてるよ」と私は答えた。
これが総ての答えである。スピーカーの下に面積を大きくとって分厚く敷いた赤タモの集積材は、その体積でそこそこの周波数の振動を吸収している。そして木材本来のホールの様な響きも作れる。更にその下に敷いたバスマットは木材の響きはそのままに、更に低い重低音振動をかなり吸収したのである。
ウエスタンスピリッツのリスニングルームラボは、三階にある。その音は壁や柱を伝わり一階の母の部屋まで響いていたのである。
いくら穏やかな音になったと言っても、本当にエネルギーロスのないシステムの鳴り方とは部屋で聞いてるとやはり強烈である。
私は部屋ではかなりの音量なので、一階に響いてないか不安だった。しかし鳴り切ったオーディオの音とは階下への騒音の影響を減らすのである。
正に良いことずくめである。しかし、まだ少し何かが気になった。さて、なんだろう…