船橋市I氏のオーディオシステム
今まで船橋のお客様と、お名前を公開していた。よく考えてみると、何か変な気がして、船橋のIさんに改名させていただいた。
さてウエスタンスピリッツは、赤タモの集成材を重ねて敷く実験で、大成功をおさめた。その結果をI氏もウエスタンスピリッツでご確認された。
そして、お客様のシステムでも同じように改善されるだろうかやってみた。多分今日の作業ではそこそこのレベルにしかならないだろう、そう思っていた。
今回は本来ラック迄一気にやろうと思ったが、一旦踏み止まった。やはり、ものには順序がある。それをお客様にご理解願いたかった。
こう考えた、先ずはパワーアンプをラックから下ろし、パワーアンプの下に板を敷いて、トランスの唸りをラックや機材に伝えなくする事が先決と思えた。
そして二台のノイズカットトランスの下にも板をたくさん敷いて、トランス自体の唸りを板の質量で減衰させ、スピーカーからの振動からもガードする必要がある。これによりかなり強いクリーンな本来の音になる筈である。
次にスピーカーの下に板を二枚重ねて敷いて、スピーカーボックスの付帯音を減らし、響きを良くする、スピーカー自体が鳴らす床への振動をそこそこ減衰させる、今回はそこまで対策を講じた。
船橋のI氏は、そのあまりの効果に驚いていたが、私は違った。スピーカーの上に置いてあるネットワークと隣のラックのキャスターが、まともにウーハーの振動を受けてしまった。
しかし、これは想定内である。まともに鳴るようになったウーハーのエネルギーが、格段に上がった為である。
次に、写真にあるようにパーチクルボードの重量の少ない縦長のグラグラのラック、その下にはキャスターが付いている。エネルギーロスの少ない強烈なウーハーの振動も、まともにキャスターとラックが受けてしまった。そしてその影響は機材の音を汚した、好転反応である。
低音はいっけん強く感じるが、艶がなくボコボコになってしまった。なので私は、ジャズやポップスや80年代のソウルならば聞いてて面白いが、まだクラシックは鳴らないとお伝えした。
そして次の週は、ネットワークをスピーカーから下ろし、赤タモの板に作り、スピーカーの後ろに立て掛ける。
次にラックである、3㎝厚の赤タモの集成材を総て二枚張り合わせ、しっかりした、お客様設計の横型ラックをご指定どおりに作るのである。
そして当然、ラックの下の床にはバスマットを一枚ベタに敷く。その上に板を二枚敷いてその上に、キャスターのないラックをベタに設置する。
単純に考えてもラックの重量は、150㎏にはなるだろう。我が家のラックよりは、間違いなく音が良いと思う。
これでかなりのレベルになる筈だ。確実にクラシックが妥協なく荘厳に美しく、静かにダイナミックに鳴るだろう。
いやクラシックだけではない、今まで鳴らなかった総てのレコードやCDが多分、全部初めてみなさんが知らない位に鳴るだろう。
さて、その結果はどうなるだろう。
写真にあるように昨日、赤タモの集積材でオーディオ横型ラックを製作した。重量は軽く150㎏を超えた。
考えていたより簡単であった。I氏の図面と板取りはかなりの精度だったからである。
むしろ甘くみていたネットワークに思いのほか時間をとってしまった、Iさんには申し訳ない事をした。
肝心なのはその音である。重心が下がり穏やかな音に変化した。しかし、思っていたより低音に品がなくなってしまった。次なる粗が出たのである。
やはり4560BKAは完成されたボックスなのである。裏蓋をしめるべきなのかもしれないと思った。
次の日我が家にお越し願い、今後の対策について色々お伝えする事をお約束した。
しかし、お客様のオーディオも、ウエスタンスピリッツのオーディオも、終わる事はなさそうである。
いや、やっと本当のお付き合いが始まったのかも知れない。そう思った。