ウエスタンスピリッツのシールドケーブル
現在のウエスタンスピリッツは、フォノ以外は総てノンシールドケーブルになっている。
ウエスタンスピリッツのシールドケーブルは、やはり少し独特な作り方をしている。普通のケーブルは市販品も含め、グランド側にもホットと合わせてシールドがかかっている。
その方が製造しやすいからだと思うが、個人的にグランド側にシールドを施しても全く意味がないと思う、むしろ響きがなくなり邪魔。
素線はホットもグランドも被膜に覆われている、そしてラインケーブルは、電圧がかかっている。その上にシールドが被さっている、被膜がある為、素線とシールドは絶対に接触しない、よって導通はしない。
電子はグランド側からホットへ流れる、しかし電気はホットからマイナスへ流れる。
ホットはケーブルのスタートから進行方向へ電気が流れ、グランドは戻って来る。ウエスタンスピリッツはケーブルのエンドのグランドとシールドを導通させ、ホットにだけシールドを被せ、最後の最後の数ミリのところでシールドを切断して浮かせている、シールドは最後のところで導通していない。
つまりケーブルに方向性のあるエンドアース方式である。方向性のあるシールドケーブルは、日本のエクスクルーシブが世界で最初に開発したものと記憶しているが、エクスクルーシブが定めた方向はスタートアースだった。
ウエスタンスピリッツも以前はそれを神話の様に信じていた。しかし、たまたま間違えて繋いだエンドアースの繋ぎ方の方が何度試しても音が良かった。
よく考えてみると、電子と電気の流れる方向を考えて納得したのである。このさい電子の話はややこしくなるので省くが、ホットと反対側に流れるグランド信号がホットに被さることにより、外来ノイズ(電磁波)や機材から発生する高周波ノイズからガードするのである。
反対に繋ぐとホットに被さったグランド信号は同じ方向に同次元で流れる為、あまりシールド効果はないのである。
もっと言えばオーディオは交流なので、考えていると頭が痛くなる。ホット信号の中にもグランド信号が存在し、その逆もある訳である。
しかし、今のところこのケーブルの作り方が一番音質に優れている。シールドを両端に導通させると音が明る過ぎてピャンピャンして固くなりうるさくなる。これは未だに本当の原因が分からない。
無線を真剣にやってる方から言わせれば、ウエスタンスピリッツのケーブルの作り方は非常識なのだそうだ。しかし、実際に批判した無線をやってる方にウエスタンスピリッツの音を聞いてもらったが、オーディオと無線は似て非なるものとの答えが出た。
ウエスタンスピリッツのケーブルの作り方と繋ぐ方向性は、オーディオの音質にとっては間違いないとの事だった。オーディオで比較する限り、シールドは最後まで落としてはいけない、そして、繋ぐ方向はやはりエンドが良かった。
その時確信した。なのでオーディオは頭だけでは出来ないのである。
一般的なオーディオケーブルとウエスタンスピリッツのケーブルは、そんなところが全く違うのである。聞き比べて違わない筈がない。
このケーブルの作り方も数年後、オーディオケーブルの常識になると思う。ただみなさんは、販売されてる規格にはまった真面目なケーブルしか聞いてないので分からないだけである。オーディオは音が耳で聞いて良ければそれでいい。
ウエスタンスピリッツのケーブルは全く違います。この件に関しウエスタンスピリッツは誰とも論ずるつもりはない。ウエスタンスピリッツは実際に作り、試聴を繰り返し答えを出しているからである。
机上の空論など所詮は空しい、正直どうでもいい。オーディオである以上大切なのは理論ではなく音である、とてもシビアな厳しい世界である。しかし、理論などどうでも良いとは言っても、やはり本当に正しいものからは正しい音が出る、これもまたオーディオである。
最後はヤッパリ使っている機材の優劣ではなく、貴方のセンスである。そしてケーブルの差である。