ラジアンのダイアフラムが届いた。
前の日から色々作業をしていた。去年付帯音対策として、ドライバーの裏蓋に張った素材を総て剥がし、塗った素材も綺麗に何度も洗い流し、何とかほぼオリジナルに復元出来た。
次にニードルフエルトを裏蓋に合わせてカット、そして裏ぶたに両面テープを張ってその上にしっかりニードルフエルトを張り合わせた。
そして、今回購入したラジアンのダイアフラムを取り付けた。やはりマイラーエッヂには六ヶ所、約2㎜程の丸い穴が空いていた。
消磁のCDを二回リピートしてから、かなり大きな音量でエージングのCDを五時間鳴らしておいた。
やはり去年私が施した付帯音対策はやり方が間違えていたのだと思った。鳴り方が全く違い音色が穏やかに広がり、クリアーになった。
以前はスピーカーの下に付けていたキャスターと挟むように張り付けた耐震ジェルが駄目だった。
そして今回はスピーカーの下やラックや機材の下に板を敷いて、振動対策を施した、そのレベルに来て初めて以前は良いと思っていた付帯音対策(改造)が駄目だったと分かったのである。
やはり精度を持った完成品に後付けで改造をしてはいけない、と、思った。ましてやドライバーの裏蓋やダイアフラムである。エネルギーロスなく鳴らしたい。
裏蓋にダイアフラムに接触しない程度の分厚めのニードルフエルトを張るのは、やはり間違えてはいなかったのである、戻してみて本当に良かった。
音色と言うより、ずっと聞きたかったドライバーとウーハーのクロス辺りが被らないクリアーな響きや、情報量が増えたのである。
ラジアンのヘラ絞りダイアフラムは、JBLオリジナルダイアフラムよりも格段に左右が揃い、歪みの少ないレスポンスに優れたダイアフラムだと思う。
それにしても付帯音を違う方向から改造して減らすのは、ある特定の周波数を減らし改善すことは出来るが、ある意味失う音階もたくさんあると言う事である。
それは多分、振動板の音色を変えてしまい響きがなくなる事を意味するのではないか。付帯音減衰は響きをなくさない様にしなければならない。
私が感じたのはこうである、ギターをピッキングで弾いているのか、フィンガリングで弾いてるのか、その違いがあまり分からなくなっていた。ラジアンのノーマルダイアフラムに換えた今は、ハッキリとその差が分かる様になったのである。
これから多少のエージングを経て、音は確実に変化して来るだろう。
そして、粗くかすれていたような中域がしっかりして太くなったのである。
私は安心してConcordのレコード、スコットハミルトン メジャーリーグをかけた。笑ってしまう程の違いだった。
A面二曲目でマッケンナが高いキーを強く叩くところが最後まで綺麗に再生された。
ジェイクハナのドラムスもとてもクリアーに再生された。
スコットハミルトンのサックスはもうウーハーとドライバーが被る事なく鮮やかに再生された。
やはり人間一人では何にも出来ない、自分でやった思い込みもや思い上がりもあるのである。第三者に聞いてもらうのはとても大切な事である。
とても太くクリアーで見通しが明るい音になった、去年から暗い音を聞いていた事になる。
今回もラジアンのダイアフラムに助けられた。
そして、一晩エージングのCDを部屋に居られないくらいの音量でリピートさせておき、翌朝クラシックを聴いた。凄くこなれていて情報量は更に数倍増えていた。これは良い、やっと目が覚めた気がした。
今まで何を聞いていたのだろう。