電源コンセント
このお話は、少し前に書き貯めた内容である。
ナショナルの、オーディオ用ではないごく普通のコンセントだとは思うが、使いやすく、なぜか音が良いコンセントである。
今流行りのホスピタルグレードや色々販売されてる電源コンセントを私はたくさん使ってみた。その中で一番音が良い。
多分メッキも何もしていないからだと思う。最近千葉のIさんからお借りしていたAETのコンセントを使っていた。
確かに音はクリアーなのだが、面白味がなく低音が弱い感じがしていた。そして、Iさんからのご連絡でツィーターやホーンの位置を私の指定通りにセッティングしたからと、週末試聴に伺う約束をした。その時に返却して欲しいとの事、忘れては困るので、AETを外し、ナショナルのコンセントに戻し二時間通電した後に聞いてみた。
まるで音が違う、低音は再び太く元の濃厚な音が甦った。AETは、前回Iさんがご持参され、その日の内に繋ぎ聞いていた。
その日の事である、帰り道Iさんは小さな声で「ウエスタンスピリッツの特にアナログの音は以前より水っぽく薄い気がした」この感想の意味するもの、それはナショナルからAETのコンセントに交換したからだと思った。
私は純度や精度が異常に高いケーブル素材やコンセント(ホスピタルグレード)の音が好きではないのである。
確かにつぶさに聞けば、確かにAETは優れている。そしてナショナルの安価なコンセントは少し音が粗い、しかし音が暖かいのである。
AETは確かに滑らかで美しい音になる。しかし無機質である。粗く聞こえるナショナルのコンセントは、聞いていて楽しく、明日を生きる希望の様なものを感じる、これが大切である。
両者を試した所はターンテーブルの電源コンセントの入力側である。本来、音色に作用する筈のない所なのであるが、それが全く違うのである。
どんなに優れたものでも聞いてて楽しくなければ意味がない。そしてオーディオの音は太く本当の意味で、センス良く濃厚でなければならない。
そこに初めて奥行きと広がりが追加されるのである。
Iさんのターンテーブルはがラード301である、元々音色が濃厚なのでAETのコンセントはバランスしたのだと思う。
オーディオケーブルやコンセントで音が変わらない等と言ってる様では、その方のシステムはどんな状態になっているのだろうかと思ってしまう。
ウエスタンスピリッツは極限迄オーディオを鳴らしたい、その思いが本来変わらないと言われている電源コンセントの音を聞き分けたと言うことなのか。
もうウエスタンスピリッツに繋がってる総てが絶妙にバランスマッチしたと言う事なのだろうか?それこそオカルト的な考えで、本来コンセントの質で音が変化しない訳がない。
30分位クラシックを慣らしていると、更に音は落ち着いてきた。うん、私はこちらが聞きやすい。