電磁波対策と抑振対策と付帯音対策
必要なのかも知れないが、あまり効果はないと思った。考えられる方法は総てに一長一短あり、効果はあったが結局、失うものの方が多かった。
先ずは電磁波対策であるが、知り合いからの情報によると磁性体である鉄でノイズカットトランス等を囲ってしまう方法が一番と考えられるが、実際に実験してみると音はこもってしまう。鉄は磁石にもなる性質があるので、電磁波を吸収して自然減衰させる事が出来るとの事だった。でも音は理論どおりにはならなかった。
それではとグランドを鉄に落とし、シールドにしてみた。ノイズは格段に減るが、再生音の情報量も見事に減衰してしまった。
次に去年、私に伝えられた情報は、アルミ箔だった、調べてみるとアルミ箔は電波を跳ね返す性質のある事が分かった。
CDプレーヤーの基盤やスイッチング電源周り、外側を徹底的にアルミ箔で囲ってみた。その結果確かに効果はあった。しかし少し聞いていると音が苦しい感じになってきた。
でも徹底的に総てにアルミ箔を張り付け電磁波対策を行った結果、確かに効果はあった。しかし前記の様に少し聞いていると音が苦しい感じに気が付いた。
そして一ヶ所ずつアルミ箔を外して行くと、次々音は開放的になり、総てをはがし終わると爽やかになった。これが本来の鳴り方なんだと気が付いた。
そしてもう一つの情報が来た。フェライトコアをケーブル総てに場所を考えて装着すると、電磁波や高周波ノイズを吸収出来るとの事だった。
試しに50個購入してきてあちこちに付けてみた。確かに情報量が増えて聞こえるので、更に130個購入してきて総てにたくさん付けてみた。一個付ける度に音はクリアーになって感じた。しかし少し聞いていると響きがなくなったと感じ、少しずつ外して行くと、低音と響きが戻って来た。
そして更に付帯音対策の情報が来た。墨を塗ると言うものだった。私は何かを感じ、アドバイスどおり、スピーカーユニットの振動板にLIVを張り付けたり、墨を塗ったりした。
ウーハーは良かったと思うが、ドライバーのダイアフラムやツィーターのホーンに塗った墨は響きをなくし、ドライバーに至っては暫くすると、振動板が少しずつ侵食し音が歪み、とても苦しいお話にならない音になった。
良く調べてみた、ダイアフラムの振動板はアルミが多い。ウエスタンスピリッツが使ってるラジアンの振動板はアルミである。
振動板に塗った墨汁、アルミは酸でもアルカリでも溶解し腐食するが、アルカリでよりアルミは侵食する。そんなものをアルミの振動板に塗って音がまともになる筈がない。
ましてやドライバーは缶詰の様に真空にはなっていない。よって侵食するのである。ドライバーの蓋を開けてみると、ザラザラになっていて、軽く触れるだけでボロッと穴が空いた。オリジナルの振動板を触ってもその様な事は一切ない。
アルミのダイアフラムの振動板に墨を塗るなどお話にならない。
対策としてダイアフラムは新たに交換、ツィーターはイコライザーを外して、ホーンを何度も神経質に拭き取り、大変な思いをしたが、元の綺麗なソリッドな響きのある音色に戻った。
さて、ここまで書いてきて、これら対策と称する方法総ては安易な方法なので、どこか甘く駄目である。
そしてこれらは総て改造である。ウエスタンスピリッツが行ったアナログキャビネット自作や、アンプやトーンアームの内部配線交換とは似ても似つかない方法である。
つくづく思った。安易な簡単な後付け方法で安定した音質改善効果はないのである。私も含め音が変化したのと良く改善されたのには雲泥の差があると言うこと。この間違いに早く気付くセンスが必要なのかも知れない。いや絶対に必要である。
私は他にも若い頃から随分たくさんのオーディオアクセサリーに騙されてきた。中には理に叶ったものも確かにあった。
しかし素人のやっている安易で簡単な方法は、全部と言っても良いほどガセねたである。
それに後付け改造は何より不便になり汚い。いつでも現状復帰出来る方法で試して頂きたいと思う。
そして、あまり強く付帯音を減らしたり、抑振対策をやり過ぎない方が良い。付帯音や振動と思っているものは、実は電気的に解明できる事にやがて気が付くと思う。
何故ならメーカーは素人のお子ちゃまレベルで商品化している訳ではない、素人の思い付くレベルはとうに気が付いているのである。
それを「メーカーは何にも分かっていない」と貴方が思うのは勝手だが、メーカーがそこに手を付けないのは、どなたにでも規格の中にはまった安定した安全な商品を供給する為である。音の為と称し安全性も考慮してるのである。
メーカーは慈善事業をしている訳でも音の良い商品を作ろうとしている訳でもない。もしも何かがあった時に、責任が来ないように身の保身をしているのである。
貴方が簡単に何かをやったら、メーカー品より音が良くなった?そんなことは絶対にない。大いなる勘違いである。
ウエスタンスピリッツが行った様々な事は、正攻法であり、決して安易な改造ではない。しかし、リスクはある、何があっても自己責任である。そのリスクがあっても私はそこに人生を賭けて来た。はなっから覚悟が違う。