三位一体
音を良くする方法は色々存在するとは思うが、必ずしも良いと感じた結果を重ねてばかりでは音は良くならないものである。
音を良くしようと色んな流派(色んな枝葉)があり、その方向性が一貫していないからだと思う。
ウエスタンスピリッツはほとんどの流派を信じる事なく、自分の考えだけを貫いて来た。あまりにもガセねたが多く嫌になったからである。
総ての流派は完璧ではないし、どこか安易な誤魔化しで甘いからである。それらが複雑に絡み本当に優れた方法と合わさった時に粗となるのである。
特にオーディオアクセサリーや後付け改造である。オーディオアクセサリーは「もしもこれで少しでも音が良くなったら良いですね」と安易に商品化し、販売するからである。
そして何を勘違いしてるのか分からないが、けっこう値段が高いのである。
昔エレクトロルーブと言う商品があった、竹炭の墨(カーボン)をニスに解いたようなもので、ヘッドシェルのリード線やケーブルに塗ると音が静かになり、クリアーになると言う商品だった。
理論的に分からないではないが私は一年位で音がおかしいのに気が付き、リード線もケーブルも新たに購入した事がある。
その時に交換してみたスピーカーケーブルがSONYのリッツ線だったのである。これは30年以上前の事で、今はそのエレクトロルーブと言う商品は接点復活剤に変わり、もう市場にはない。
後はトライガードである、二種類のテープをケーブルに巻き付けると、やはり音が良くなるとの商品である。
私はトライガードも、音が閉塞的でおかしいのに直ぐに気が付き総て外した。トライガードは簡単にはがせて元に戻せるので、実験には良いと思うが、やはり値段がケーブル全部に巻き付けるとなるとけっこう高い。
本当はもっともっとたくさんあるが、あまりにたくさん使い過ぎて忘れてしまったものもある。
とにかくオーディオは、何をどうしたらこうなったのかそれが問題なのである。
そして総ての結果を王道で、上手くセンス良く合わせられたら、音は確実に良くはなるが、ご自分が過去に行って来た手抜き、その総てを時には疑ってみることも大切である。
後付けで施した殆どのもの(後付け改造)は、貴方のシステムの音を悪く変化させている事に気が付くと思う。
何にもしなくても調整のセンスでオーディオの鳴り方は磨く事が出来る。特にケーブルを良いものに交換する事が大切である。
石油系の被膜素材では、中の素線がどんなに良くても音は良くならない。
ケーブルは素線の太さと、被膜と、作り方で音が決まる、その時初めてオーディオは三位一体となり、優れた音を違和感なく聞ける様になるのである。
もっとウエスタンスピリッツのケーブルを、モニターしてみようと思う方はいないものだろうか。
そのままでは永遠に今のままボケボケの音である。
オーディオは、スピーカーやラック、機材の下がしっかりしていて、入り口から出口迄を出来る限りシンプルにする事。そしてユニットの配置やネットワークの部品定数が決まっていること、何より慣れと経験。
これら総てが三位一体に正しく合わさって、音を構築しているのである。
これらを正確に掴む為には、何をどうやったらどうなったのかを、大学ノートに細かく書いておくと分かりやすい。
過去に駄目だったやり方が後の実験と合わさり、良い結果に繋がる事もある。また反対に、過去に良いと思った結果も後の実験と合わさり、駄目だったりする事がある。
そしていかなる結果になってもなぜそうなったのかを出来る限り解明したいものである。その内容もやはりノートに書いておくと必ず後の音質改善の役にたつことが多い。
しかし、やがて神経質にやっていくと、新たな結果に繋がり、私の様に長年思ってきた持論までひっくり返る事になる。
オーディオをただ購入して、音の良い機材の出没を買い換えながら待っていても、貴方のオーディオは永遠に良い音にならない。
世の中にはとんでもない音を鳴らしながらも、ひっそり微笑んで聞いてる方が必ず存在すると思っている。とんでもない音とは、超まともな違和感のない鳴り方をするシステムの事である。
ウエスタンスピリットもいつか、とんでもないまともな音を鳴らしたいものである。
後少しの気もするが、三位一体の違和感のない鳴り方は、果てしなく遠い様な気もする。