悪い音
いつもどうしたら良い音になるか書いて来たように思う。しかし良い音にするためには悪い音を知らなければならないと思った。
簡単にお話しすると悪い音とは、再生レンジが狭く、再生音にピークディップが多いこと、よって歪みが多く、うるさくなる音の事である。
特にクラシックのバイオリンの音が、跳び跳ねた様にヒャラヒャラして薄く明るく感じる鳴り方である。
当然ボリュームを絞るとエネルギーロスを起こしている為ボケる、その状態でボリュームを上げるのでうるさくなるのである。
この音を世間ではクリアーな音と勘違いしているようである。
もっと悪いのは、ツィーターやスコーカーのアッテネーターを絞り過ぎて、艶も何もないようなスピーカーのレベル調整をされてる方がいらっしゃる。
やはり極端なレベル調整は再生音のバランスを崩す結果になる。ユニットの総ての能率が分かればツィーターとドライバーは、ウーハーの能率と合わせるのがベストなのである。
それはなぜか?例外もあるが一般的にウーハーにアッテネーターは入っていない。ウーハーの能率にスコーカーやツィーターの能率をアッテネーターで合わせればよいのである。
それでも音がうるさいシステムは他の何処かに問題ありである。スピーカーの入力端子が錆びていたり、スピーカーケーブルの端末が錆びていたり。
スピーカーの下の床がしっかりしてなかったり。片方のスピーカーケーブルだけ繋ぎ間違えて片方だけ逆位相になっていたり、実に様々な原因が考えられる。人は間違いていないと勘違いしている、しかし私も含め人はミスをする生き物なのである。
端末が綺麗になると、導通がよくなり電気が流れ易くなるため、音が更にうるさくなると思いきや実は逆なのである。
端末の経年変化(酸化)は導通を悪くさせエネルギーロスを起こす為元気のない痩せたうるさい音になるのである。
電源コンセントの端末もたまにコンパウンドで錆を落としピカピカに磨き、出来たらオーディオ用のチタンオイルかスクアランを塗っておくと、端子の表面が空気と遮断される為、酸化を遅らせる事が出来る。
総ての接点を磨いていただきたい。それだけで購入した時のフレッシュな音になり、当時の感動がよみがえる筈である。
先ずはこの内容がずっとキープされてなければ、素敵な音は再生出来ない。オーディオは勝手に音が悪くなる筈がないのである。
音を悪くしているのは貴方の管理不足である。すぐに時代遅れと思い込み、買い換えるのも良いが、その前に足掻いてみよう、時代遅れではない、ちゃんと鳴る筈である。
オーディオはそんなに進歩していない。むしろメンテナンスしてる貴方の姿を見ていた家族に、貴方は尊敬されると思う。
悪い音のオーディオ等本当は何処にも存在しない。総ては貴方の管理不足である。
良い音を更に良くする事はなかなか出来ないが、悪くなった音をよみがえらせる事はそんなに難しくはないのである。