低音のボンつきの正体
ズバリ、スピーカー自体が鳴らす低音が床からラックに伝わり機材に伝わり、振動によって機材本来の機能が低下する為、元音を汚しているから起こっている現象である。
そしてこうも考えられる、ボックスをしっかりした分厚い板で作ると確かに付帯音が減って聞こえる。
これもボックスがしっかりした事によって、床に振動が伝わりづらくなり、他の機材やラックへの振動が多少抑えられた為と思われる。
ボックスがしっかりして、箱鳴りが減り、ユニットそのものの音になったからではないと思う。
今はそうと気が付いたが、以前はスピーカーそのものがボックスも含めて、何かの原因でそうなっていると思っていた。皆さんもそう思っているだろう。
しかし違うのである、スピーカーは正直に、送られて来た信号のまま鳴っているだけなのである。
付帯音減衰マニアはそこに気が付かず、ユニットやボックスに色々施している。いくら38㎝ウーハーが大きく分割振動が起きるとしても実はそれほどの事はない。
オーディオが上手く鳴らないのには様々な理由が存在するが、老婆心ながら後付け改造だけは絶対に止めた方が良い。
後付け改造をして良くなったと思いたいのは分からなくもないが、メーカーはそんなレベルは百も承知なのである。
もっと研ぎ澄まされた感性を磨かなければならないと思う。たくさんの情報の中で、何が真実なのかを見極めるだけの経験がないと、オーディオを人より優れた音には出来ない。
今からすると過去のウエスタンスピリッツの音も、決して誉められたレベルになっていなかった。本当に良いと思い始めたのは最近なのである。
ウエスタンスピリッツの配線は、ケーブルどうしの端末をからげて半田で留めたところが実に多い。特に変わったのは、トーンアームの内部配線を引き出し、PUケーブルと直に留めたところだ。
しかし最後の最後にネットワークから鰐口クリップを総て取り去り、スピーカー端子も外し、総てを半田で留めた、その時の音の変化は涙ものだった。
こんなに広く太い音なのに、全くうるさくならない、こう思ったものである。総てのユニットがしっかり計算しつくされたネットワークの部品定数で合っていて、しっかり繋がっていれば、絶対に半田で留めた方が良い。
しかし、まだ部品定数が合っていないと感じたならば、半田で留めてしまうと、過去の私の様に何度もやり直す事になり、その度に部品のリードに熱を加えてしまう為あまり宜しくない。そして結果も遅れる事になる。
これが分かっているので、ウエスタンスピリッツは時間がかかってしまったのである。半田は留めてから一週間は音が落ち着かず、聞いてる内に部品定数が変わる事があるのである。これを何度も経験した。
そして、ウエスタンスピリッツは、スリーウェイネットワークの板を分厚くして各々三つに分けて、部品の向きや距離を考えて、各々の部品が干渉しないように、距離と方向をシビアに、計算してスピーカーの後ろの壁に吊ったのである。
今になって考えると、優れた部品の品位で揃えて作った自作ネットワークを、壁に吊ったのは物凄い効果だったと思う。しかし、総てはトータルバランスなのである。
ネットワークはスピーカーボックスの内部や上や床に直に設置してはならない。その時にやっと気が付いたのである。私は思い立ったらあまり考えない、素早く最善策を考え、即行動してきた。
そしてどんなにスピーカーや床やラックや機材の下を板やバスマットで強化しても、完璧な方法はない。しかし、やらないのとやった後では確実に強化した方に軍配があがる。
音が分離して聞きやすくなる。システムをレベルアップしたなんてものではない、しっかりやってみた貴方は多分今まで鳴らなかったソフトを全部聞いてみたくなる筈である。
そして思うだろう「今までいったい何を聞いていたのだろうか」と。
鳴らないソフトが激減し、ジャズの嫌いな方もジャズを聞くようになり、うるさかったヴァイオリンの音も静かになるので、クラシックも聞きだすようになる筈である、私がそうだった様に。そして、またそこが改善されると、システムがレベルアップするので、次の粗が出てくるのである。
とにかく、ただ高級オーディオをお部屋に並べてもレベルは低いだけ、システムのスペックが僅かに優れているだけ。本当は更に上があるのに誰もそこに気が付かない。
ハッキリ言っておくが、スペックの差などいくらもない。せいぜい7点が10点になる程度でしかない。嘆かわしい話だが、これが一般のお子ちゃまオーディオレベルなのである。
お金で良い音が買えるならば、ウエスタンスピリッツはこんなに時間がかからなかった。またウエスタンスピリッツのシステムがガラクタで古いからでもない。
どんなシステムでもそれなりに上手く鳴らす事が出来る、ウエスタンスピリッツは、そう言いたいのである。
なぜ上手く鳴るのか?なぜ思った様に鳴らないのか?ずっと考えてきた、冷静に考えていたら意外と答えは簡単だった。
とにかくオーディオは常識が必要である。上手く鳴らす方は多分私の考えにご賛同いただける筈である。
何にもしないでいたら永遠に今の音のレベルでしかない。ライヴを聞いていただきたい。
楽器の音とは違和感がなく、そんなにギラギラした音ではなく、とても圧倒的で太く、色濃くあっけらかんとした開放的な音である。
そしてライヴの空気感を感じて欲しい。クラシックコンサートもいい。実際のホールの音はもっと肉厚で圧倒的である。
私の文章を馬鹿にしても構わないが、少なくとも私は自分が実際行ってみて感じた事しかこのブログに書いていない。そして、かなりの音を鳴らしたのも事実である。
今、目の前で鳴っているウエスタンスピリッツサウンドは、一般的なJBLサウンドとは言い難い、もっと端正である。と言うより、多分これが本来のJBLなのである。
確かにジャズはJBLなのでお得意分野である。しかし、クラシックを聞こうがJポップを聞こうが、録音されたままに素敵に鳴り、いかなる高級オーディオにも多分もう負ける事はないと思う。
こうなったのは、過去からの失敗を含め、色々思考を巡らせ攻略した努力ではね除けた結果でしかないのである。
その中のたくさんの音質改善策の一つに、ウーハーのボンついた音をなくすのが最後の砦だった様に思う。
とにかくオーディオの音は、世間をもっと飛び越えてクリアーなのである。今の音のレベルに満足出来ればそれはそれで誠に幸せなのであるが、ウエスタンスピリッツは違う。
オーディオの音のレベルは、鳴らしてる人間のスケールそのものである、ならば、私はまだまだです。もっと素敵に鳴らしてみたいものである。