アナログ変貌
最終的に一番最初の写真の形になった訳だが、オリジナルキャビネットから一年間の間に変貌を遂げたYAMAHAのGT‐750であるが、もうYAMAHAのGT‐750の薄っぺらい音ではなく、全くの別物になった。
先ずは黒いキャビネットで、YAMAHAのロゴが残っているキャビネットがオリジナルのMDFボードだったのである。今からすると鈍く安っぽく酷い音だった。
そのオリジナルキャビネットは、厚さが2㎝程しかなかった、次に赤タモの集成材厚さ2.5㎝のものに作り換えた。まだ色は塗っておらず、とても気に入っていた。
そして、とある方があるものを塗らないと付帯音が消えないと話されたので、その方指定の、黒いものを塗ってみたが力不足、付帯音は減らなかった。
しかし私は諦め切れずにいた。そして半年経ったある日、音が良いと思ったチークの角材と同じチークの分厚い板を購入してきて、赤タモの集成材の下に、購入してきたチークの3㎝の角材を三本ずつ重ねて四隅に張り合わせた。
その時にトーンアームの下の板にも大きめにチークの3㎝の厚さの板を大きめに張り合わせた。
当然写真の様にトーンアームの内部配線も交換し、アームの出力端子を外して引き出して、ピックアップケーブルと直に半田で留めた、いつも書いてきた内容である。写真があった方が分かりやすいと思い添付してみた。
さて普通にトーンアームの出力端子に差し込んだだけの状態と、直に引き出されたアームの内部配線のケーブル端末と、ピックアップケーブルの入力端末とを直に半田で留めた方法と、どちらが電気的に導通が優れているか一目瞭然だと思う。しかも半田そのものも吟味してある。
それとあわせ、私が行ったアナログプレーヤーのキャビネットのマスを稼ぐ行為が、どれだけの音質改善に繋がったかお分かりいただけるだろうか。
トーンアームは一切振動せず、カートリッヂのカンチレバーだけが振動するのが理想だが、トーンアームと言うものは、カートリッヂと一緒に楽器の様に振動するのである。
その下にキャビネットが存在する、そのキャビネットはトーンアームの鳴り方に絶大なる影響を及ぼすのである。
そしてターンテーブルの回転するセンタースピンドルと引っ張り合ってる関係にあるのである。ならば、回転系とアームは出来る限り振動点が干渉しない方が良いに決まっている。
アナログはフォノイコライザーやMCトランスやヘッドアンプによって何倍にも増幅される前の段階なのである。少しの違いは何倍にもなって再生音に還元される、なのでウエスタンスピリッツは努力したのである。
そしてその結果、思いは間違えてはいなかった。狙っていたよりも音の変化はかなり大きかった。
だからアナログは面白いのである。CDの場合、ある程度完成されているので、何をやってもアナログ程の音質改善は望めない。
CDでご満足されている方に言いたい、アナログは個人の力が試されて、もっと遥かに素晴らしいですよ。