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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
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下総中山 中華料理 かな芽


結婚してから24年ぶりに私は実家のある千葉県へ帰ってきた。そして遠い昔一度しか会っていないYの事を思い出した。Yは、ずっと私の人生に強烈な印象を残していた、そして実際その印象は、良い方へ当たっていた。

Yの事を色々調べてみると、昔横浜で修行をして、以前は地元で大きな店舗を構えていて、かなり流行っていたらしいのだが家賃が高く、隣の市へ店舗を移したのが上手くいかなかったらしい。

けれどまた近くに帰ってきたと聞いてはいたが、お店が見つからなかった。

私は北海道の地元の職業訓練校からも、入学を拒否された不良だった。

そして東京都葛飾区の私立高校に通っていた。二年になりMと言う友達が出来て、行き帰りに行動を共にするようになった。

ある日、私とMが総武線本八幡駅の改札を横切ろうと歩いていると、背の小さな色白の目付きの鋭い男が、おいっとMを呼び止めた。もう一人いたが名前も忘れた、YとMは中学の同級生だったのである。

Yをよく見てみると額に鋭い反り込みを入れ、ニグロアイパーをかけて、中ランにズンドウの太いボンタンをはいた硬派な感じの男だった。

学ランは有名な千葉の不良高校のバッヂだった。しかし、その時代はゾッとするほどかっこよかったのである。それがYとの出会いだった。

Y達は修学旅行の帰りだったのである。そして我々四人はYの部屋に行く事になったのだが、何となく私は嫌な予感がした、Yともう一人は初対面だし、私は彼らの様に地元ではないのである。

そしてとりとめのない話になりそれも終わり、私とMはYの部屋を後にした。

その時私はミニスター(細く小さな30本入りのタバコ)をいただいたので嬉しくなり「北海道から出てきてこの辺の事は何にも分からない、これからも宜しく、じゃあまたね」と言ったのである。

そして数日後Mからこんなことを聞かされた「この前来た野郎は気に入らねえ、呼び出しをかけるかもしれねえから伝えておけ」と。ズバリ、私の事である。

タイマンなどはらなくても分かる、勝てない。本物の不良だけが持っている圧倒的な雰囲気に私は飲まれてしまったのである。

私はYが怖かった。しかしその後結局呼び出しもなかったし、お互い社会人になり、いつの間にかMとも疎遠になった。

そして結婚し実家を出て24年ぶりに帰ってきた。急にMとYの事が気になり探していた。

色々な情報が集まったが、40年も前の事、Mはもう地元には住んでおらず、あまり良い話しも聞かない。しかしYはまだ近くでまた中華料理店を経営していると分かった。

そして色々調べ探しあて、食べに行ってきた。厨房にYがいた、少し太ったが間違いない。そしてこう感じた、やっぱり根性のある男の作るものは美味しいし、味に力がある、凄く美味しかった。

メニューはまだ他にもあるが、ラーメンはしょうゆ、みそ、塩とあるけど私は塩チャーシューメン(麺の大盛りサービス)に焼き餃子(四個で300円)を頼んだ。理由はないが、この店のチャーハンはまずい筈がないと思った。

私には、とてつもなく美味しかった。焼き餃子もさっぱりしていて軽く、中から肉汁が溢れた。

これが答えなのである、やはり若い頃から根性の座ってる人間は何をやってもぶれないで基本がしっかりしている。

ラーメンを食べるならスープまで一滴残さずいただくのが礼儀だろう、私は総て完食した、実際に社交辞令なく美味しかったからである。

そしてお会計の時にひょっとしてYさん?と伺った「Yです」と彼は爽やかな笑顔で答えてくれた。

私は昔の失礼を詫びた、Yはあまり覚えてないなーと笑っていたが、忘れてる筈がないのである。

多分Yは、あれからかなり年月が経ち、今さら少し恥ずかしかったのだと思う。忙しいお店なので、早々に退散したが、これからもちょくちょく通うと思う。

お互い色々苦労してきたのだ、それは疲れた哀愁漂う彼の力強い背中を見たら分かる。

勝手に思うが、Yとは運命的なものを感じる、多分友人の一人になるだろう。お店の定休日は月曜日である。

業種は全く違っても、どこか生き方に似たようなものを感じるのである。

昼に食べたYのラーメンを夕方また食べたくなった。中華料理 かな芽は、JR下総中山から、新川通りをひたすらショップス市川を目指し歩き、川を越えて更に歩いた左側にあった。赤い看板なので直ぐに分かる。

小さな店舗でカウンター席はなく、こじんまりしたこざっぱりした綺麗なお店だった。そして色んなお客様でいっぱいだった。女性が一人でも気楽に入れると思う。

個人的な話になり申し訳ない。かな芽はとても美味しい。

そして、四日後家内と再びかな芽へ伺った、家内は塩チャーシューメンのスープを一口すすっただけで「美味しい」と言った。

家内は店内であまり味の評価をしない。しかし、思わずその言葉が出てしまったのだと思う。

Yに家内ですと紹介した、家内は凄く美味しかったとYに伝えていた。今回は半チャーハンも注文した、やはりシンプルで美味しかった。

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