DL-103再び。
こう思っている人もいるだろう。
所詮は安くて古いタイプのカートリッヂだ、昔お金のなかった時代に随分使ったけど、あまり良い音はしなかったと。
実は私も今回新品を購入するまでは少しそうも思っていた。
でも今回確かに何か閃くものがあって購入した、ひょっとすると。
そして的中した、上手く鳴らなかったのは、若い頃の自分の調整能力の低さだったのだと。
購入してから、毎日12時間はガンガン使っている、コイルもダンパーも活性化してきたのだと思う。
先ず滑らかさや情報量や音の大きさやのびのびした感じが、購入した時と比べ全く違うのだ、エリッククラプトンのアンプラグドを聞いてる、客席からのどよめきの少し後にクラプトンは左側から大股で歩いて出て来て、センターよりやや右側斜めに座る、その足音がハッキリそれと分かる、オルトフォンSPUよりもより明確にそれは我が家では分かった。素晴らしい。精巧なカートリッヂ、実は、一つ一つ左右の出力が微妙に違う、今回付属してきたスペックの写真を貼付した、見ていただきたい、私のDL-103は左側がほんの少し強いようだ。しかし、CDでそうなるものはレコードでも同じに再生するのだ。
当たり前だが、しかし、CD等、到底相手にならない鮮やかな凄い音だ。
はじめ感じていたトロさもなくなり、とてもクリアーな角のたたない太くカッコいい音を聞ける。
ならば、たくさんある(300個近い)中で高額カートリッヂの音の品位とはどの様に判断すれば良いのか、これでは答えが出ない。以前もお話しした、物凄く高いカートリッヂを購入しても天地が逆さになる程の差はない、極僅な差でしかない、考えてみれば、確かに、カンチレバーの違いや針先の形状やコイルに巻いてるリード線の違い位でしかない。
カートリッヂは構造上そんなに大きな音の差にはならない(イケダとウエストレックスとノイマンはかなり違う)のだ、ならばやっぱりトーンアームの調整能力の差が音に出る事になるのではないか。
私はそう結論付けたいと思う。
私はこう思う。
音の悪いカートリッヂは多分この世に存在しない、変な中古を購入するから訳の分からない音になるのだ。カートリッヂは鮮度も命なのだ、と。
だって現に目の前で鳴っているのは、デノンの新品で購入したDL-103なのだ。
レコードを選ばずジャンルを選ばず実に素晴らしいカートリッヂだ。