リネン(麻糸)巻きケーブル
先ず、昨日のblogのおさらいからです。ケーブルは定数を変えられないフィルターである。
それはなぜか?ケーブルは、コンデンサーの様に容量をもち、コイルの様にインダクタンスを持ち、抵抗もあるからです。これが個々のケーブルの癖であり特長なのです。
また、その個性がケーブルの音質を決めていると言っても良いのです。ケーブルは理論を正しく理解しないと優れたものを作れません。また理論だけても作れません。
つまり、狙いを定める為には、優れた音質を鳴らす雛形が必要なのです。
素線の太さや質や作り方だけでは、単純にケーブルを語り、作る事は出来ないのです。
なぜ良かったのか、なぜ駄目だったのかです。メリットとデメリットを常に感じ理解しないといけません。ウエスタンスピリッツは、その雛型になりたいと思うのです。
今まで、ウエスタンスピリッツは、絹巻きケーブルに拘って来ました。しかし、更に優れた外被の素材を見つけました。
それは、リネン(麻糸)の事です。千葉のIさんからのご注文の10セットのリッツ線を作り終えた私は。購入しておいたリネンの糸を外被として作ったケーブルの音を聞いて来ました。
中のグランド線は、以前と変わらず固く絹巻きです、外被だけを麻糸にしたのです。
色付けがなく、ソフトに入ったそのままをアンプや他の機材へ届けている。そんな感じの音で、情報量は絹糸外被より多いです。
ただ麻糸のデメリットは、絹糸に比べ少し表面が毛羽立つ事です。
ですが、これはデザイン上の問題で、本来必要な事ではありますが、ウエスタンスピリッツは音質を優先いたします。心配でしたが、音は毛羽立ちません。
しかし、デザインも大切です、そこは選択肢と致しましょう。
絹は蚕の唾液ですから生き物のたんぱく質です。麻は植物繊維です。今まで自然に聞こえていた絹糸の音が人工的に聞こえる程です。
この麻糸は今まではありませんでした。やはり色々時代は進んでおり、精製技術も進歩していると言う事ではないでしょうか。
以前購入した麻糸は、もっと固く粗く、音がヒステリックに明るくてうるさく駄目でした。
そこで気が付きました。以前のウエスタンスピリッツサウンドは、今とは音質が比べ物にならなかったと言う事です。
今回探しあてた麻糸は、柔らかく自然でのびのびした爽やかな音です。とても神秘的な音です、強くしっかりしていて、音は飛んで来るのに、耳に絡まず静かでしっかりしております。
オーディオケーブルの外被は、絹糸だけではありません。くれぐれも毛糸やナイロンは静電気が多く、使い物になりません。
リネン(麻の糸)これは素晴らしい外被が見つかりました。