英ちゃんの薬(2)
今日はオーディオのお話しではなく、私の母のお話しです。
母は認知症です、新たな薬、アリセプトD錠5㎎は良いようです。やはり母の思考は明快になって来ました、さらに先へ進もうとしているのはわかるのですが、今度はやり過ぎになってしまったようです。
私は母をみすてる事は出来ないのです。しかし、何でも言い合える親子が故に、残酷な一面もあると思います。
母は物事の順序を組み立てられなくなって来ました。そして歳をとったのは事実なのですが、その事実を認めたくないので、苛立ち頑張ってしまうのです。
その結果、胸の動悸が激しくなり、動けなくなってしまうのです。かわいそうですが、このままでは自滅してしまうと思うのです。
頑張らない様に諭しても、真面目な性格は治らないようです。そして悪いことに母は薬中毒なのです。
熱中症なのに常に風邪薬を飲んで、一日中「風邪だ。風邪で熱がある」と言っては、風邪薬を飲んでしまうのです、取り上げるとパニックを起こし、この暑いさなか買ってきてしまうのですが、分からないように薬を取り上げました、その事も今は忘れた様です。
そして、また熱中症になっているようです。風邪ではなく熱中症なのは明らかなのですが、風邪だと言いはるのです。
しかし、それから二週間、前に飲んでいたドネベジル5㎎(ジェネリック医薬品)と言う薬の効果が抜けて来たのか、顔が穏やかになり、若かりし頃の朗らかな所が少し出て来ました。
でも、今度は感情を抑える事が出来なくなり、私が階下へ降りて行くと、感動して泣くのです、そして一時間もすると泣いた事すら覚えてないのです。
でも、他人には母が認知症だとは気付かないと思います。他人には取り繕う能力を持っているからです、普通に買い物は出来るし、洋服も自分でセンス良くちゃんと選べるのです。
しかし、認知症が治る事はありません、あくまでも進行を送らせているに過ぎません。
母さん、ポジティブにね、もう頑張らなくて良いよ、出来る事をゆっくりしてね、俺がそっと支えて行くからね。