DL-103の左チャンネルの音が出なくなった。
案の定である。
やっぱり壊れた、しかも購入して一ヶ月のデノンDL-103が左チャンネルの断線である。
こんな事ばかり当たっても仕方がないが、私の悪い予感は今回も見事に的中した。
異常に音が良くなると、近々必ず何処かが壊れるものなのだ、オーディオとはそんな趣味なのである。
聞いていて、急に左からブスブスいいだして、それから十分間位で完全に左だけ鳴らなくなった。
アームの端子を磨いたり、リード線を抜き差ししたり接点復活剤を吹きかけたりしたが、どんな処置をしてもいつものようにはなおらなかった、他のカートリッヂは総て鳴った、ヘッドシェルもかえてみた、鳴らない。
CDをかけてみた、ちゃんと鳴った、夕方テスターで103の導通を調べた、確かに左だけ何度やっても導通はない、内部で何かの加減でコイルのリード線が外れたのだろう、しかし珍しい、私はデノンでははじめてである、しかしこういった時、やはり新品は便利である、少し時間はかかるが調べて駄目ならば交換してもらえるからだ。また新たな103になるから更にエージングに時間がかかるが、それもまた楽しみである、同じ型番でも一つ一つ微妙に音が違うのだ。
多分、針圧も変わってくる、改めて分かった事は、新品で購入した場合、鳴らしはじめは針圧を少し重めに3グラム(あくまでもDL-103の場合の針圧)かけると良いと言う事が分かった。
新しい時の使いこなしは、とても肝心で、後々の鳴り方に影響してくるのだ。
今度はそれが出来る。
針圧が軽いから明るく変な音になってしまうのだ。
今度はどんな音になるか楽しみだ、みなさん、オーディオはこの位の余裕を心に持とう、前のエージングにかかった時間はどうしてくれるのだとか、前の音が気に入っていたとか、貴方、そんなに優れた調整能力をお持ちなのか?と聞きたくなる、よく店頭のカウンターで、そう話して揉めている馬鹿なお客を私はよく見掛ける、見ているこちらが恥ずかしくなってくる。私が販売員ならば、その話になった段階で、丁重にお詫びし、即キャンセルしていただく。
それは何故か?
他のお客様に迷惑なのは当たり前だが。
自信のある人間は簡単に前の音に調整で持っていけるから、そんな事は言わない、しかし、店頭でガタガタ言ってくる客は自信がないのだ、ごねてもっと良いものを同じ値段で欲しいのだ、私はそんな客が昔から大嫌いだ。
お金を受け取りさっさとお帰り願い、他の店で買って頂きたい、その方がお互いスッキリする。
私はそう思う。
たかだかカートリッヂ一つ返品されても、こちらが製造している訳ではなく、店は何の損害もない、勘違いも甚だしい。
お客様は神様ではない。
神様ならばもっと寛大な人になってくれ。
神はもっと寛大だ。
だから変なものばかり貴方に当たるのだと言いたい。とにかく私はDL-103の到着を楽しみに待っている。
我が家にカートリッヂは他にも名機がたくさんある。今、私が使っているのは、同じデンオンの名機DL-305の発売記念モデルで、オリジナルとは全く違い化け物の様に音が良い。
それこそ、正に手に入らない採算度外視の本物中の本物のオリジナルだ。
多分もう持っている人は、ほとんどいないだろう、日本に100本とは存在しなかった筈だ。今のデノンの社員でもその存在すら知ってる人は極めて少ないのではないか。
もう当時の知ってる人達はみんな定年になっているだろうと思う。
久し振りに聞いた、やはり素晴らしい。
でも、はやく来ないかな103。
先方には、今日宅急便で発送した、明日の着で。