スピーカーのセッティング
実は、音を決めるのは、ステレオに必ず存在する二本のスピーカーのセッティングをリスニングポイントでモノラルを聞いて左右を同じ動作にする。これをおいて他にはないと言っても過言ではないと思う。みなさんはしっかり出来ているだろうか?
これがしっかり出来ていないと、どんなに高級なものを使っていても、良い音にはならないと言う事だ。
下手をすると私がしっかりセッティングしたミニコンポになんなく負ける事になる。
モノラルがちゃんと鳴らないと、本来のステレオ再生が出来ないと言いたい。
オーディオは使っている機材の優劣で音が決まるなんて全くのナンセンスだと言う事だ。
私の方法と違ったやり方も色々あるとは思うが、今回、独断と偏見でスピーカーのセッティングを語ってみよう。先ずはスピーカーを左右対象に平行に置き直していただき、そこから追い込んだ方がやりやすい、次に、アンプやCDが完全に鳴りきった状態にしなければならない。
本当は何日も(二日間位)前からそこそこの音量でパーカッション等の入ったレンジの広いパルシブな鋭い音の入ったCDをリピートし続けてかけておく。
そして、アンプもモノラルにして、カールリヒターの(パイプオルガン)バッハのトッカータとフーガ二短調の頭から三十秒程までをアンプもモノラルにして何度も再生し、真ん中に妥協なくあたかも総ての周波数が一本の線から鳴るようにセッティングしなければ、ならない。断っておくが私が指定した以外のCDではなぜだかこのセッティングは出来ない。しかも、二十秒位の所で重低音が入っている、その音が点音源から奥に広がる様に、スピーカーの位置を決めていく。大体の人は二本のスピーカーが内側に振られている、実はそれが間違いの源である事がこれで分かるようになるだろう。
やって行くと、当然左右対象にはならない、部屋にもよるがスピーカーは左右少し違う方向へ、向くことになる、これは殆どが左右のスピーカーの特性の違いではない、、聞く位置と部屋の関係にある。必ず左右どちらかに音が寄る筈だ、大きく聞こえる方を、前に出して少し外側に振ってみる、すると、不思議とかなり真ん中に集まって来るのが分かるだろう、そこからは個人の腕のみせどころ、センスとなる。
上に乗ってるホーンやツィーターも合わせてゆくが、ツィーターはなかなか難しいから休み休みやって頂きたい。
正直難しい。
リスニングポイントを変えると音も変わってくるから、そこも始めに探して頂きたい。壁をホーンとして使うよな、コーナーに置くように作られた(オートグラフやエベレスト等)スピーカーならば多少別なのだが、基本は一緒だ、左右対象にはならない、でも、ちゃんと鳴るとやはり同じ様な鳴り方になる。
後ろの壁や横の壁、床や天井も色々影響している、部屋の中にポイントが一つしかない、などと話している人がいるが、そんな事は絶対にない。
つまり、置場所(音の良いポイント)は部屋の中に無限大に存在する。
低音の量感を出したければ、スピーカーを後ろの壁に近付けるようにすると良いが多少音像は甘くなる。
離すと音像がタイトになりシャープになるが低音は多少減って聞こえる。
とにかくオーディオは定位が命だ、聞いて良くても定位があっていないなど、余程特殊な部屋になっていない限りあってはならない。でも確かに特殊な部屋は存在する。
私でも、上手く出来なかった部屋も確かにあった。
二本のスピーカーの置き方と壁などの距離は再生音に影響するからしっかり耳でやってもらいたい。
測定器ではその通りにならない、それはなぜか?
聞くのは人の耳であり、マイクではないからだ。
決まれば本当に音楽が変わるほどの変化になる。
くれぐれも妥協なくである、そう鳴ってる気がする程度では全く駄目だ。
多分、昔五味さん達がやっていたのがこのセッティングだと思う、二本のスピーカーが消えた様な独特な鳴り方だった。やり方は私とは違うと思うが、目指している所は同じだと思う。五味さんが凄いのは何もオートグラフを使っていたからではない、真空管アンプが優れていたからでもない、総てはスピーカーのセッティングであろう。
とにかくあの時代にあの音を鳴らしていたのが驚異だ。
しかし、彼はそこまでは書き残さなかった、それは伝えても自分で編み出さないと出来ない事を知っているからだろうと思っている。私の編み出した方法はかなり難しいが、これをクリアーしないと、貴方の装置から良い音は鳴らないと言い切ってもいい。
間違いなくそのようには鳴っていないはずだ。
やってみて欲しい。
一人でもこれを出来る人がいたら嬉しい。
オーディオは二本のスピーカーを聞く位置で合わせなければならない。
オーディオはセッティングが総てだ。