テクニクスSH‐10B3
組み立てて三日間聞いて来ました。
テクニクスの往年の名機SP‐10MKⅡ専用のキャビネットSH‐10B3です、上の板は黒曜石(北海道では十勝石とかちいしと呼ばれます)です、割ると鋭い角がたち透明な硝子の様になります、私は北海道出身です。
しかし、ターンテーブル本体とアームベースを留める所は、黒曜石に触れないような工夫がなされています、素晴らしい加工精度です、少しでもずれていると、取り付けネジは入っていきません、少しずつ対角線上にしめていきました。
アームベースはアルミの枠で精密に作られており、アームが付くところは木材になっており、紫檀と山桜を七対三の割合で張り合わせてあり、アルミの枠と下から木ネジ四本で留める様になっています、なのでアルミの枠との音質は重ならない様に工夫されています。
なので、紫檀と山桜の合わさった解像度の高い音質を狙ったと思われます、黒曜石はアームの中心軸とターンテーブルの中心軸との剛性を上げる為に使われています。
トーンアームはSAEC(サエク)WE‐308NEWです、性能は極限まで出ておりますが、それが故に取り付ける穴の位置がとてもシビアで、アームゲージを使いポンチを打って、ボール盤で正確に穴明け加工しました、取り付けて計るとオーバーハングは5㎜ぴったりです。
レッドコンソール(大阪ケーブル)のスリムラインを使って来ましたが、一番上に張られた鉛の音にどうしても馴染めませんでした、そして使われていた方の穴明け加工の精度が今一つです。
そして、こう想像しておりました、レッドコンソールよりオリジナルはエネルギーロスが少なく、付帯音も少なく力のある綺麗な音になるだろうと。
期待が裏切られる事はありませんでした、レッドコンソールは向かって左前のインシュレーターを取り付けるMDFボードの板が割れかかっており、補強をした後がありました、それと音質を求めるならば、柔らかいコルクレベルのMDFボードなど使ってはいけません、最悪です。
よくヤフオクにある隠しです、これはとりあえず桜材か何かを張り付けて、いずれしっかりさせなければなりません。
やはり、テクニクスがSP‐10MKⅡ専用に開発したオリジナルが良いのだと思います、それにしてもこの様な時間とコストをかけ開発されたキャビネットは、もう二度と出てこないと思います。
大理石や黒御影石ならばこの様にセンス良くはならなかったと思います。
昔、敷島という黒御影石のキャビネットを使っていた事がありましたが、音は全く駄目でした、ボワンボワンしていて、そのものの音が音楽に付くのです、このキャビネットは、実に上手く考えられ研究し尽くされ作られている、そう思います。
そして、ウエスタンスピリッツは、これだけスピーカーからの防振対策を先に行っておりますので、この様な結果になったと思います。
柔らかで穏やかで気品のある優しくも太い堂々とした音で奥行きがあります。
絹とリネン(麻糸)巻きリッツ線の平行シールドケーブルも含め、総てが絶妙になバランスできいているのです。
そして、夏にかさねて張り合わせて作ったマルチラックが、寒くなり更に乾き引き締まって来たのが分かります。
やはり、オーディオは最後、経験とたえず前に進もうとする努力が必要ですね、感だけでオーディオは出来ないのです、理論だけではないですが、何故?どうして?と常に考えて、自分なりの間違いのない答えを持ちたいものです。
やはりSP‐10MKⅡには同じメーカーのSH‐10B3です、違和感なしです。
そしてSH‐10B3の下には、以前千葉のIさんから頂いたI型に加工された青黒檀を三点支持で敷きました、抜群の解像度です。
SH‐10B3は二十八歳の時に購入しようとナショナルのセールスに探してもらいましたが、既になかったので、諦めていましたが、今はネットオークションがあるので、何でも見付かり助かります。
購入して、本当に良かったです。