ジョー山中 ララバイ オブ ユー
角川映画、戦国自衛隊のラストシーンのバックに流れるこの曲を聞いて私は痺れた。
なんて映画にマッチした優しい歌詞とカッコいい旋律なんだろう?私はこの戦国自衛隊をたまたま最近観たのだ、ずっと昔から知ってはいたが観る機会を逃していた、新しい戦国自衛隊では、彼らはこの時代へ生きて帰ってくる、しかしこの映画では歴史をねじ曲げる事は出来なかった。
私が予想していた展開になるが、それにしても最後のジョー山中のララバイオブユーは物凄く私の心に残り、どうしてもこの曲が欲しくてCDを探して買った。聞いていて思わず胸がつまった。作詞が阿木燿子で作曲が宇崎竜童である、ああ、やっぱりねと思った。
独特な日本人の作ったブルースである、それをジョー山中が歌うのだ、凄くないわけがない。
そして角川映画である、今、果たしてこんな映画を作れるだろうか?観たことない人は観てみて下さい。
スケールとかそんなんじゃない。
納得である。
日本には、他にも知る人ぞ知る隠れたカッコいい曲がまだまだたくさんあるけれど、この歌はその中でも特に忘れられなくなると思う。
何とかホンキートンクブルースも良いが、この宇崎竜童節は私は痺れてしまう。ダウンタウンブギウギバンド時代の恋のかけらもそうだ、私の穴暗の感性に合っているのだろう。
人生とは、所詮は出会ったその時から別れのカウントダウンが始まる、私は、そう思ったら苦しいくせに、心の中でいつもどこかでそう思っている。
だから友達でいる今が愛しい、いつもそう思う。
これはいささか極端だが。男と女に友情はない、あるのは愛だ、男と男には友情は芽生えるが、最後はライバルになるのだ。
相手を徹底的に倒すこと、それが男同士の相手への本当の友情ではないのか。
そんな気がする。
主役の影虎と伊庭は時代を越え、立場を越え、お互い自分にないものを持っているお互いにひかれ、友情が芽生える、しかし、上の者の策略により、影虎は用なしになった伊庭を殺さなくてはならなくなった。
だから意気投合し、楽しく遊んだ楽しかった日々がよけいに美しく、ラストシーンが悲しいまでに切ない。最後、古寺に矢で火を放つ前に影虎はもう動かない伊庭に最高の礼を尽す。
そこでこのジョー山中の曲が流れる。
こんな映画と曲はもうこの時代には出来ないだろう。私は28歳の時に、24歳だった弟をバイク事故で亡くしている、自爆だった、もう二度と生きては会えないのだ。色々謝る事すらもう来ない。この曲が若くして亡くなった弟への私からの言葉に強く繋がったのだ、呼吸が苦しくなるほど心に来たのだ。
ありがとうジョー山中。 安らかに。
今年2012年は色々あり激動の一年でした、世界的にも大まかにはいったん区切りがついたのではないでしょうか?日本はまだ大変ですね。
2013年も宜しくお願いいたします。
よいお年を。