慣らし(エージング)
新たに作ったものや、購入したばかりのものは初めから良い音はしないものです、総てを新品で購入され意図した鳴り方になるまでに、調整を含め一ヶ月から半年はかかると心得て下さい。
新居でも車やバイクでも同じ事なのです。
新しい製品は精度は出ているのでしょうが、遊びが全くなくガチガチと話したら良いのでしょうか。
内部に使われている電子部品も配線も、電気を通されてないので、なかなか馴染まないのです、だからと言って結果を急ぎ大きな音量で鳴らされても結果はそんなに変わりません、やはり時間がかかるのです。
そしてそれは、スピーカーボックス等にも言えるのです、特に自作やオーダーしたボックスは、出来上がっても張り合わせた木工ボンドもなかなか乾かず、なかなか音楽再生に馴染まないのです。
よく聞くのは、「はじめは実に酷い音だったが、一年程使っていたら良い音になった」とのご報告をいただきます、そう、これが馴染みなのです。
トーンアームの微調整や、カートリッヂもそうです、カートリッヂはカンチレバーを支えるダンパーの馴染みに時間がかかります。
とにかく結果を急がず、じっくりかまえてほしいと思います。
そして、経験をつんでほしいのです、経験に勝る場馴れはないのです、理論は必要ですが、それだけでは頭でっかちのオーディオになってしまうのです。
細かく聞き分ける能力は経験をつまないとなかなか得られないものです。
そして、質の良いクラシックコンサートをたくさん聞いて 、その鳴り方とホールの美しい響きを頭に叩き込んで欲しいのです。
そして、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスのボディーに使われてる木材を検索してみて欲しいのです。
私は調べてみて分かったのです、桜と楓です、選ばれたる木材を楽器は既に使っていたのです、答はとうに出ていたのです、楓は優しく弦の響きに優れ、桜はクリアーでピアノに使われ、力強さや音の骨格を再生するのに長けています。
アナログもデジタルもかなりの情報量がソフトに入っているのです、それを鳴らさないのはもったいないと思いませんか。
至難の業ですが、鳴らす努力をしましょう、それにはチューニングも含めとても時間がかかります。
何をやっても慣れる迄にはエージング時間が必要なのです、新居の戸建ても音が良くなる迄に三年はかかりました。
馴らし、それはとてつもない前後関係が複雑に絡み、時間がかかる事なのであり、オーディオを上手く鳴らす上でとても大切な事なのです。