英ちゃんの事
今日はオーディオのお話しではなく母のお話しです。
最近、リリー・フランキーの東京タワーを観ました、何度観ても感動的な映画です、どこか自分の人生と重なるのです、そして両親の事を思いました。
夫婦の関係と親子の話は時に残酷なものです、母は去年の五月にアルツハイマー型の認知症と診断されました、要介護1ですがかなり進んで来ました、もう1時間前の事は覚えてないのですが、私がしてあげた事だけは一日経っても覚えているのです。
そして体が弱って歩けなくなった父を、言葉の攻撃でいじめる様になって来たみたいです、もうまともな夫婦の会話はないみたいです。
今日も電車で十分程のデパートへ食事がてら、母を連れてお店の中をゆっくり見てまわりました。
食事の間、同じ事を何度も話され、こちらもおかしくなって来ますが、その様な病気なので仕方がないのです。
紳士服や婦人服の売り場と食品の売り場総てを見て来ましたが、父さんは、洒落っけも何にもなくて、格好悪くてつまらない男だけれど、お前(私の事)はスタイルもよく、父さんと違い、何を着ても似合い格好いいと何度も話すのです。
悪い気はしませんが、うんざりします、そして食べたお店の鰻弁当も買って来ましたが、父はそれを見て満面の笑みでした、余程食べたかったのでしょうね。
去年の夏から数えて四度目の入院で、足腰が弱り、食べたくても、もう食べに行けないのです、入院で思い出しましたが、退院の手続きの時、母は足手まといになるので家内と一緒にいる様に諭したのですが、私の後をついてきてしまうのです。
「お前がいるから安心だ。本当に助かる」そう言ってくれるのはありがたいのですが、私しか相手にしなくなってしまったのです。
私がやることは総て良くて、家内や父をあまり認めてないのです、そして叱ってるのは私なのに、家内に叱られたと勝手に頭の中でストーリーを作り変換されてしまうのです。
「お前は何時も完璧で優しいと」言うのです、私が何時も帰ってくる時間を過ぎると、パニックになり近所を探し回る始末。
私が無事帰ってくると、嬉しくて涙目になり私の手をさすり「この手かわいい」と物凄く喜ぶのです。
私の努力だけは過大評価して、他の家族はかやの外、そんな感じです。
そして以外と頑固なところがあり、絶対に自分のやり方を通すのです、つまり思い込んだらその通りにならないとおもしろくないのです、わがままですね。
後何年一緒に暮らせるか分かりませんが、これでも私を生んで育ててくれた両親なのです、出来る限りの事をしてあげたいと思います。
私には両親も家内も同じく大切なのです。
母さん、俺だけが優しい訳じゃないよ、我が家は父も家内も全員優しいよ、穏やかにね、三階で綺麗な音楽が何時も絶え間なく鳴っているよ、たまには上がっていって聞きなよ。