自作ネットワーク、遂に最終段階に
これをやればもう迷う事はないだろう、馬鹿みたいに何度そう思ったか数え切れない。
何かをやって暫くは決まったと錯覚している、それは自分がやった事であり、その達成感も手伝っての事だろう。
メーカー製品と比べて確かに飛び抜けた感じに聞こえる、それはある周波数にだけ耳を傾けて独自の音を作っているからで、やはり標準からかけはなれているのがだんだん分かってくる。私はこう思う、自分のシステムで上手く鳴りそうなソフトを人はみな買ってくるのだ、だから一般的にJBLはジャズとなる。
他のスピーカーシステムと比べて、ドラムが上手く鳴るからだろう、
バスドラやシンバルが特に圧倒的に違う鳴り方をするのだ。
そして楽だからだ。
でも、それは違うと私は思う、ゼロから総ての音が出るならば、ジャズしか鳴らないJBLはそのゼロが既にずれているのだと。
作られた当時のJBLのネットワークは優秀でジャンルを選ばなく何でも鳴っていた。
私は1980年当時秋葉原で高級オーディオを販売していた。
店で鳴らしている音は確かに、ケーブルも長くセレクターがとおり沢山の接点があり、正直あまりほめられたものではなかったが。
それでも時代の流れもあり、沢山の人の耳を魅了したのも事実であるはず。
それまでは、どんなに頑張っても当時の私の給料ではJBLなど夢また夢のとんでもない存在だった、毎日の様に秋葉原に通い買えもしないのに、ただ聞かせてもらうことしか出来なかった、欲しかった、いつかは買えるかな?せめてカタログをもらい、すりきれるまで見ていた。では、それらはやはり総て幻だったのか?いいや違う、確かに良い音してた。
やっと買える歳になり、中古でユニットを一つずつ揃えた、しかしそれから出た音は酷いものだった。
ウーハーやドライバーはそんなに変わらない気がしたが、特にネットワークが完全に経年変化で駄目になっていた、みんな部品が貧相で大したことないと話すが、それは違う、コンデンサーの容量抜けや、アッテネーターのファンクションが錆びて既に使い物にならなくなっているし、そもそも素人が勝手に揃えて、はい出来上がりみたいに簡単に鳴るスピーカーではない音作りになっている訳だ。
それではと、JBLと全く同じ回路で同じ部品定数で真似てネットワークを作ってみたが、一瞬オリジナルを越えた様な錯覚があったが、JBLは実に不可思議な部品定数になっているのが分かる、全く計算どおりにはなっていないのである。
私はそれに20年気付かずにいたのである、奇々怪々な噂が飛び交い何を信じて良いか分からなくなった、そして私は一つの答えを出した、メーカーのユニットの公称インピーダンスを信用せよ。
そのとおりにやってもJBLとアルテックはちゃんと狙った周波数でカットオフが切れないとみんなは話すが、全くそんな事はない、やはり、8Ωは8Ωだし、16Ωは16Ωだった。
本当は実際にカットする周波数のユニットのインピーダンスをはからなければならないと言う、やってみたがとてもではないが永久にその正確な答えが出ない。ならばメーカーの公称インピーダンスを信用すれば良いと最近やっと気付いた。今までめちゃめちゃな定数でネットワークを組んでいたから、全くあり得ない繋がり方をしていた訳で、それを知った時は実にスッキリした。
公称インピーダンスでちゃんと部品の定数を計算し繋げると、実に上手く繋がる。
JBLのオリジナルネットワークの部品定数をあなどってはいけない、あれが悪いのでなく、あの貧相と言われる部品で、実はしっかりまとまり、バランスしているのだ、しかし、製造からこれだけ時間が経過してしまった現在、あのネットワーク達はもはや使い物にはならないと言う事だ。
いかに現代の優れた部品に変えても現代の部品では、絶対に復活はしない。
という私の答えが散々やり出たのです。
しかしちゃんとネットワークをセンス良く作れたら、JBLはまだ輝いて鳴る、私はそれが言いたい訳です。
オリジナルネットワークとの決別こそが甦らせる近道である。
私のJBLは本当に後少しで完全に鳴りそうな予感がします。
その為に今、色々呟いている。