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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
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満点の空を深紅に染めて…

満点の空を真紅に染めて、太陽が西の空に沈まんとす、四囲の静寂をよそに鳥の群れが騒ぐ、嘲るかの如く、また憐れむかの様に。

お前はこの期に及んで、今更何を足掻きあがくのか、過去幾度か人生の岐路に立って、何を決断しどう生きてきたと言うのだ。

流れる雲のように吹く風に身を任せて来たのなら、自然に身を委ねるのが自然と云うもの、否、精一杯生きてきたと言うなら、それはそれで良いではないか。

思い残すこともなかろう、お前の行き着いた人生観は、一日生涯、一期一会、であったはずだ、諸行無常、思い通りの人生は望むべくもないが、総て自分でまいた種ではないか、割り切れ、割り切れ、色即是空、空即是色、過去も現在もまた未来も所詮すべて空。

多少もうろくしても人に面倒をかけず、良き顔で朦朧として逝きたいものを、満点の空を深紅に染め静寂のうちに太陽が西の空に沈む様に。

個の終焉は消滅にあらず、単に空に帰したるものにして、大海に生ぜし泡の消えたるが如きもの、嘆くに当たらず、悲しむに足らず、明日太陽はまた昇る。

亡き父が存命中に勤めていた会社で書き残したエッセイです、私はこれを偶然みつけて読んで、涙が止まりました、自分はやはりこの人の息子なんだなと思いました、そして、今の私にはこんな立派なエッセイはまだ当分書けそうにありません。

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