三人でドライブ
母を連れ出すのは至難の業なのです、先ず『車でいくから楽だよ』これを伝えるのが大変です。
次に、着替えを促すのも大変です、着替えをしてる途中で何を勘違いするのか、普段は入らないお風呂に入ろうとするのです、そして、バッグの中の財布を100回位何度もチェックするのです。
ひたすら同じ事ばかり話してます、普通の人ならば10分で出来る支度が一時間位かかります。
でも今回何とかなりました、認知症の方にものを伝えるにはたくさんの単語を使ってはいけません。
単語が会話としてストーリーのように繋がらない為、混乱してしまいます、『温泉へ行こう』『母さんと行きたい』『車で行くから乗ってるだけで良いよ』『美味しい魚がたくさん食べられるよ』『温泉に入って暖まろうよ』『お金を払ってくれる人がいないと温泉に行けないよ』この様な言葉を少しずつ投げかけていくのです。
これは、毎度の事で大変ですが、分からないものは分からないので仕方がないのです、若い頃の母はとても厳しく聡明でした、でもそんな母はもういないのです。
私を育ててくれた、たった一人の大切な母なのです。
無事に行けてよかったです。
母は出された料理をほぼ平らげました、温泉も気持ちいいと喜んでくれました、景色も気に入ってもらえた様です。
これで我々もやっと一区切りつきました。
しかし、私がいないところで母は家内にこう言ったそうです『来たくもないところに勝手に連れてきて、ほんとうはこんな所来たくなかったのに』これではどうにもなりません『あまり連れ回さない方が良いね』この結論に至りました。
昨日出かける時に『三人で温泉に行こう?』すると『温泉行きたい!』と喜んでいたのに、途中で忘れてしまい責任転嫁が始まったのです。
これではどうにもなりません、思考が暗く思い通りにならないのが気に入らないのだと思います。
宿はお部屋も温泉も料理(地魚)もとても良かったです、ネットの評価を見て、この宿のいったいどこがきにいらないのか分かりません。
多分安い部屋に泊まったのだと思います、宿はズバリ値段イコールだと思います。
とにかく母は何をやるにも、行動が総てが逆でズレています、そして、ワタシにはキレないのですが、家内にはキレます、そして、帰路についた車で文句タラタラでさすがにこちらも厭にになりました。
母さんお疲れさま、これからは好きな事をしていて下さい。