理解出来ない
今日はオーディオのお話しではなく母のお話しです、少しお付き合い下さい。
母の事や気持ちを一番理解しようとしなかったのは、他でもない息子である私本人だったのです。
母は約二年前にアルツハイマー型の認知症と診断されております、治療方法もなく、もう良くなる事はないのですが、こちらの応対の仕方で、進行を遅らせる事も出来るみたいです。
薬を飲んでいた事もありますが、興奮し過ぎて母には駄目なようです。
病状もかなり進んで来ましたが、母の性格なのか、攻撃性も徘徊もなく、比較的介護しやすい方だと思います。
最近、日にちが分からなくなり、それが不安なのか一日中、新聞に入ってくるチラシを見るのが母のマイブームになっているようです。
昨日の事、夕方、家内が作ったお弁当を私が階下に持っていくと、財布からお金を出して数えていました、以前よくやっていた行動です。
「どうした?」と私が聞くと「お父さんの入院費を払わなければならないから、銀行へ行こうと思って」と言うので「父さんは去年の六月に亡くなったんだよ」と諭すと「それは私は知らなかったな」と言うのです。
それに危ないので、通帳もカードも印鑑も私が預かっているので、銀行へいってもお話にならないのです。
食事も三食、家内が作っているので、財布のお金は全く減っていないのです、新聞代とヨーグルト代を支払っているので、減らないように、たまに母の財布にお金を補填しています。
先程お話ししましたが、何故チラシを見ているのかですが、新聞屋さんが日にちを間違えて配達してると思っているのですが、何度調べてみてもそんな事はないのです。
テレビを観ていて三月三日のひな祭りの事をたまたまやっていて、たまたま三月のカレンダーにしるしをつけたと思うのですが、今日が二日なのか三日なのか訳が分からなくなったのだと思います。
しかし、去年亡くなった父の死を未だに理解出来ないのには些か困ったものですが、母の気持ち的には認めたくないのだと思います。
とにかく認知症とは、過去の記憶はおぼろげに残っていて、今の記憶は数秒しか残っていていないのです、記憶力が極端に低下していく病なので仕方がないのです。
こちらが何とかしようとするから駄目なのです、もう元の母はいないのです、これからはそれを理解し、寄り添うようにします。
そして、母が毎日笑顔で生きてくれてる事を願いつつ、包み込むように介護したいと思います。
私は若い頃、ろくなものではなく、父や母に大変な迷惑をかけて来ました、でも少しは最後に親孝行の真似事が出来るかもしれませんね。