いつも独りでいたかった
私の事です。
とにかくいつも独りで好き勝手な事をしていたかったです。
そして、小さな頃からいじめっ子だったので、嫌われものでしたが、何故だか集まって来る人も多かったです。
小学校高学年の頃からトランペットの見た目に憧れていました、学校帰りにいつも楽器屋のショールームの中のトランペットに目が釘付けになっていました。
中学生になり、親に黙ってトランペットを買ってしまい、独りで河原まで自転車で行って、暗くなるまで吹いていました。
楽譜など読めないので、勝手にタブ譜みたいなものを作り(今で言うコピー)いつも独りで吹いていました。
仕事を終え帰宅した父が、車で河原まで迎えに来てくれ、私に気がつかないように、私の吹いているトランペットを、離れた所で聞いていてくれたのです。
父は私を静かに見つめ、こう言いました「お前は何にも出来ない駄目な子だと思っていた、トランペットは誰かに習ったのか?」と聞いて来ました。
私は「自分でレコードから音を拾って、自分なりの楽譜を作ってみたんだ、駄目か?」と聞きました。
父は「駄目じゃない、正直うまくて驚いた」と言いました。
そして父は「お前は他のどんな子とも違うのかもしれない、もっと個性を伸ばしてみたらどうだろう?」と言ってくれました。
その後フォークソングやロックバンドも流行りましたが、仲間とつるむのが嫌になり、やはり独りで弾いて歌っていました。
何故だか根拠のない自信だけはあったのです、これはオーディオでも同じでした、自分には人にない感性とセンスがある、何故みんなこんな簡単な事が分からないのだろう?と思っていました。
それは今でも変わりませ ん、自画自賛になりますが、やはり気がつくスピードと、本物を根本から理解する力が違うのだと思います。
最近は人の意見も昔よりは聞けるようになり、更にレベルアップしたのだと思います。
でも孤独を愛し、独りで総てに立ち向かうのは、風当たりも強く追い風も少なく、根性がいります。
独りが好きとは、社会との協調性の欠如もありますね。
しかし、これがウエスタンスピリッツなのです。