経過1)
オーディオを始めた頃は周りの意見(世間にはびこる変なセオリー)の影響もあり、いいものを使わなければならず、オーディオはお金のかかる趣味だと思っていました。
そして、当時は景気も良かったので、大体のものを買える位の収入もありました。
稼ぐためにたくさん販売していた私にオーディオメーカーは、買いたい商品をどんどん貸してくれました。
たくさん使っていくうちに気付きました「オーディオは値段が総てではない、選ぶセンスもある、鳴らすのは簡単ではない」と。
私はコーラルのスリーウェイからオーディオをスタートして、今のJBL4560BKに辿り着きました。
その間も色々なスピーカーを使って来ましたが、結局今のJBL4560BKにもどっています。
それはなぜか?このボックスの神秘的なフォルムと音が好きだからです。
でも、今からすると自分のシステムは、まったく上手く鳴っていなかったのです。
そしてバブル崩壊と共にオーディオにお金を使いすぎた私は、当然貧乏になりました。
その頃、時を同じくして、ビンテージオーディオが息を吹き返してきて、売り買いがブームになりました。
ビンテージオーディオと言えば聞こえは良いのですが、所謂中古オーディオです、昔名機だった機材が半値を切る値段で販売されてました。
「これなら俺にも買える」そう思ったのです、そして次々揃え二年程前までつかっていました。
古い音質に耳が慣れていたのだと思います、久しぶりでオーディオショウへ行って聞いてみました。
色々聞いて感じたのは、現代のオーディオは、どれも力がなく綺麗なだけの引っかかりのないつまらない音に感じました、裏を返せば歪みが少ないのです。
こう理解しました、部品や接点が経年変化で 劣化した為にビンテージオーディオは、独特な世界を作ってしまうのだと。
新しい機材に古い機材を繋げてみても真価は聞けません、その逆にビンテージの機材に新しい機材を繋げてみても、同じように真価は聞けないのです。
ですから私は一昨年から一気に(アナログのターンテーブルやトーンアームを除く)機材を新しくハイエンドの方向に切り換えたのです。
その差は言葉や文章にならない位です、その前に毎日毎日下地をしっかりさせておいたのも書き逃せない事実です。
これらがしっかり出来上がっていたので、ハイエンドはしっかり鳴ったのだと思います。
下地がないまま、ただ新しいハイエンドに交換しても、未だにウエスタンスピリッツの音は、相変わらず駄目だったと思います。
当然いいものを使う事は一番大切な事です、でも上手く鳴らすには、沢山の機材の中から優れた一つを見つけ選ぶセンスが必要になると言わざるを得ないのです。
しかし、これだけでオーディオは上手く鳴ることは誓って絶対にないのです、何故上手く鳴るのか、何故上手く鳴らないのかを私は書いて来ました。
それには順序があるのです、明日へ続きます。