人とは違う観点のオーディオ
私は元々変わり者なのだと思います、そんな私が十八歳の頃、バイト先で知り合った先輩が使っていたJBL4343Bを聞かせてもらい感激しました。
スピーカーの大きさと、その周りを取り囲む機材やその先輩のこだわりに痺れました。
「俺もオーディオをやってみたい」と話すと「簡単ではないよ」と真顔で言われました。
こう言われたのです「世間では高いものを使えば音が良くなると言われているけど、それは必ずしも正しくはない、選ばれた者だけが、良い音を鳴らす事が出来る、とにかく経験と正しく本質を見抜くセンスが必要になるよ」と言われたのです。
何故だかセンスだけは根拠のない自信はありました、ギターをやっていたからです、オーディオは録音されたものを聞くものです、骨伝導のない自分が弾いた以外の音も知ってるつもりでした。
しかし、今思います、自分で楽器をやってる人程、自分の鳴らす楽器の音を知らないのです、それが骨伝導の音です。
音痴が多いのもその為です、自分は唄が上手いと思ったら、声だけ唄って録音してみると分かります、骨伝導のない自分の声に驚きます、つまり付帯音のようなまとわりついた音が一切なくなるため、普段自分が感じてる自分の声ではないからです。
私はギター演奏してる時、そこに苦しみました、つまり自分が鳴らしたギターの音はどの様に聞いた方に届いているのかです、普通の人はそんなことあまり考えないと思います。
それに苦しんだが故にオーディオをやる前、私は既にそこに気がついていたのです、そのままを先輩に伝えました。
「君なら、誰も鳴らした事のない所までJBLで鳴らしてしまうかも知れない、後はJBLが助けてくれるよ」と言って下さり、そこから勘違いオーディオが始まったのです。
でもそこからだいたい四十年かかり、まだまだではありますが最近、少し納得出来る音になってきました。
スピーカーユニットから付帯音をなくすなど並大抵ではありませんでした、ましてやJBLです、普通は不可能です。
若い頃から自分以外の人が弾く楽器を沢山聞いて来たからだと思います。
私はここに甘んじてはいません、まだまだ先へ行きます、最近自分のオーディオは終わったような事を書きましたが、そんな事はありません、私のオーディオは宇宙であり、永遠と続いていきます。
まだまだです。