インシュレーター
お客様から連絡がありました、ヤフーブログでインシュレーターを検索し、機材の下に敷いたら、その方のシステムでは低音が改善され好結果とのブログ内容。
早速、東急ハンズで購入した銅や真鍮や鉛やアルミのインシュレーターを試しにハイブリッドにして、色々なパターンで敷いてみたらしいのです。
内容はこうです「以前あなたに敷いていただいた黒檀のインシュレーターと違い、響きが止まり低音が伸びなくなりうるさくなった、一度聞いてみてもらいたい」との事でした。
このお客様は、暫くお付き合いがなく疎遠になっていたので忘れていました。
早速伺い聞いてみました、聞かなくとも大体は想像していました、スピーカーはJBLです。
主に聞かれるのはジャズです、ブルーノート等のシンバルは確かに際立って鳴っていますが、とにかく伸びやかさがなく、うるさいの一言につきます、普通のJBLの薄っぺらい音になってしまっていました、普通のJBLにありがちな鳴り方です、「前はこんな鳴り方ではなかったのに…」そう思いました。
柔らかさや自由さや開放感がまるでありません、私が以前やってみた時と全く同じ金属が吹っ飛んで来る茶色い音、そんな印象でした。
そのハイブリッドインシュレーターの一番上には真鍮が敷かれていました、これが強く作用しています。
私はお断りしたうえで、いったん総ての金属インシュレーターを外し、もとの黒檀に戻しました。
お客様には、リスニングポイントで座って見ていていただきました。
理由は、リスニングポイントから動くと、違いを正確に聞き分ける事が出来なくなるからです、オーディオが独りでは出来ない一つの答えです。
キャノンボール・アダレィのサムシング・エルスをアナログでかけました、お客様は開いた口が塞がらなくなりました。
そう、その位の違いなのです、黒檀は解像度が高く目の詰まった木材で内部損失もあるため、インシュレーターにはうってつけなのです。
お客様はこう仰いました「金属は駄目ですね」私はこうお伝え致しました「駄目ではありません、使いどころですが、インシュレーターではありません」お客様は「そうですか…オーディオは難しいですね」
私は「やってみる事は大切ですが、そのブログが本物かどうかを見分ける経験も必要ですよ」とお伝えしました、ただでさえネットには、間違えた事が沢山書いてあるのです。
そして後日、ウエスタンスピリッツへご足労いただき、持参になられたレコードをじっくり聞いていただきました。
「何年も聞かない内にウエスタンスピリッツは、随分と進化しましたね、ブログに書かれてるとおり、同じJBLとは思えません、ボケた所がいっさいなく、穏やかでエッヂがきいており、現代のハイエンドのような、歪みのない端正な開放的な音質の世界に感じます」と感想をのべられました。
「オーディオはまだまだ鳴ります、お互い更なる努力をしましょう」とお伝えしました。
それにしても、無責任にブログに書く人がいて大変迷惑です。