出来上がったばかりのケーブル
私はオーディオケーブル屋です、何時も思うのですが、出来上がったばかりのケーブルと言うのは、特に半田をするピンケーブルの方です。
半田ゴテで端末にもピン端子にも熱を加える為、出来上がったばかりのケーブルの音は、どこか湿っぽく力ない音なのです。
それでも繋いで七十二時間(丸三日)鳴らしておくと、湿っぽさはなくなりしっかりとした音になるのです。
つまりこれが何時もお話してるエージング時間なのですが、新たに購入されたケーブルも同じで、やはり丸三日の慣らしは必要なのです。
半田をしないで作るスピーカーケーブルも、同様に丸三日の慣らしは必要です、これを知ってか知らずか作って聞いて直ぐに答えを出される方がおりますが、誠にナンセンスです。
確かにそのケーブルの素質みたいなものは、慣れて来れば分かるようにはなりますが、そんな簡単なものではありません。
確かにケーブルだけでオーディオは出来ませんが、ケーブルで音のバランスをとるなど出来ません。
総てを同じメーカーの同じクラスにしないといけません。
マルチシステムのパワーアンプを例に挙げましょう、プリアンプとパワーアンプのメーカーとクラスが揃ってるのは当たり前として、パワーアンプは総て同じメーカーの同じクラスで揃ってなければなりません。
プリアンプとパワーアンプが同じメーカーでパワーアンプも総て同じメーカーで同じクラスで揃っていれば、マルチシステムは成功の一歩と言えますが、それでもなかなか帯域バランスは上手く整わないのです。
例えば、ウーハーはエネルギーが大きいから200ワット、ドライバーは中音域なので100ワット、ツィーターはエネルギーが小さいから30ワット、よくこんなマルチシステムを見かけます、絶対に上手く鳴る筈がないのです。
こんな話をしてるレベルで、いかにケーブルを揃えるのが大切かと言う事です。
色んなメーカーの色んなクラスのケーブルがややこしく繋がっていては、絶対に帯域バランスは整っていないと言う事です。
そして如何に慣らしが大切かを書いているのです。
またこの僅かな差が分からないようではオーディオは出来ないと言う事です。