トーンアームの調整
どんなに優れた名機をご使用になったとしても、トーンアームの調整がドンピシャ決まってないと、優れたアナログ再生は出来ないのです。
どこに伺って聞かせていただいても、なかなか優れたアナログは聞けません。
トーンアームを観察してみると、どれもトーンアームの調整が決まっていないのです。
トーンアームやカートリッヂは、何を使っているのかも確かに大切ですが、それ以前のお話しです。
先ずは針圧が大切です、しっかりゼロバランスをとり、デジタル表示の正確で細やかな針圧計を使い、針圧を正確にかけ、ラテラルバランスやインサイドフォースキャンセラーをしっかりと合わせなければなりません。
これが一番難しいのですが、針圧をかけてレコードに針をのせた状態に於いて、トーンアームが絶対水平である事が良い音を鳴らす条件なのです。
トーンアームに付いているアバウトな針圧のメモリは信用出来ません、しっかりした針圧計を使わなければなりません。
先ほどお話しした、トーンアームの絶対水平とはとても難しく、絶対に特殊な重量盤レコードで合わせてはいけません。
普通の厚さのレコードで合わせて下さい、何故かと申しますと、重量盤のような厚さのレコードしかお持ちでなければ良いのですが、分厚いレコードで合わせてしまうと、普通の厚さのレコードをかけた時に高さが合わなくなってしまうからです。
慣れた私でもトーンアームの水平はなかなか合わせる事が出来ないのです。
何を使ってるかよりも、いかに努力してトーンアームを調整しているかが問題なのです。
針圧も針圧計の小数点以下の僅かな差でも音はとても変化します、ゼロバランスがとれてないとインサイドフォースキャンセラーもずれる事になり、皆さん結構アバウトに調整されているから、なかなかCDに勝てないのです。
ウエスタンスピリッツでは、CDはハイエンドを購入した今でも、アナログに遠く及びません。
ウエスタンスピリッツのアナログは、音は真ん中で鳴って聞こえますが、スピーカーを無視するかの如く外側まで軽々と広がります。
とても開放的な鳴り方をします。
まだまだではありますが、はったりのないどうどうとした音なのです。
このように鳴らす為には、トーンアームの調整以外にありません。
そしてたまにはハケでトーンアームに乗ったほこりを払って、再度針圧を一から調整します。
私のトーンアームはSAECのWE‐308Nです、とても調整し辛く敏感なトーンアームですが、決まると凄まじく音が良いと思います。
カートリッヂはオルトフォンCadenza BLUEです、カンチレバーがルビーになっており、エネルギーロスは極めて低いのです。
どこかSPUを彷彿させるところがありますが、情報量が桁外れです。
これを最大限鳴らしたくてトーンアームの調整を追い込んだのです。