冷蔵庫の中の醤油
今日は我々が介護(アルツハイマー型の認知症)してる母のお話です、少しお付き合いいただけたら幸いです。
お昼に家内が用意してくれたおやつを、私が毎日階下の母へ持って行きます。
すると母は「何か頭がおかしい、今11:25分だ」この会話を約一分の間に20回は話します。
聞いてて嫌になります、そして冷蔵庫の中を確認すると「醤油を冷蔵庫の中に入れないで」と一日中伝えてるのに、醤油はちゃんと冷蔵庫の中に入っている。
記憶力が全くなく言葉を覚えられないため、会話として成り立たないので、伝わらないのです。
話が伝わらない、これは本当に困るものです、まるで話を聞いてないかのように見えますが、母は覚えられないだけで聞いているのだと思います。
私の今の常識を作ってくれた母がどうしてこの様な状態に、そう思いますが、答えは簡単、認知症になったから、気丈だった母はもういないのです。
でもかわいそうだけれど、たとえ覚えられなくても、言わなければならない事は 言わなければならない。
いくら家の中とはいえ、小さいながらもやはり社会なのです、独りだけ勝手気ままには出来ません。
母はもう、一つの事さえ記憶する事が出来ません。
冷蔵庫の醤油を、いつから入れるようになったのか知りませんが、私が知る限り一緒に暮らしている
時、醤油は、いつも食卓のテーブルの上にありました。
詰め替え用の醤油は台所の下にあり、しょっちゅう詰め替えていました。
今の母は冷蔵庫を魔法の箱のように思っているのでしょう、何でも入れてしまいます。
何故だか、といで余ったご飯、食べ残したご飯やおかずがラップにくるんで入ってます、総てすぐに腐るのに、何時も管理して捨てています。
母を見てると哀れですが、これが認知症介護の現実です。
母は自由のない部屋の中で、自分なりに自由に生きています。
母さん、穏やかにね。