高級電源ケーブル
KRELL プロ仕様高級電源ケーブル CRYO‐150°定価58万円を中古オーディオショップで見つけ、3セット購入してみた、超美品だったからである。
クライオ処理、低温で加熱処理する事により、極限まで素線の粒子を揃えることが出来る、反対の意味はアニールである。
CD(エソテリックK‐01X)とマスタークロックジェネレーター(G‐01)に繋いだ、それから十日ほどずっと鳴らしておいた。
エソテリックに付属の電源ケーブルは、アクロリンクの6Nだった、もう答えは出ているが、ウエスタンスピリッツのケーブルを作る前に、市販の高級品の音の傾向を聞いておく必要がある。
まだ繋いだばかりなので真価は分からないが、音は重心が低くそれでいてクリアーな落ち着いたイメージ、それにしても太いケーブルである、端子もゴツい、みるからに甘い音になりそうだ。
繋いだ次の日の朝、リスニングルームへ上がってみると、昨日は少し出っ張り気味だった中音域は、おとなしくなり穏やかになっていた。
多少こなれて来たようである「この作り方からするとエージングは100時間くらい」そう思った。
最近ケーブルは偽物が多数出てるらしいが、中を見ても全く問題はなかった、それにしても美品である。
二日後、音は随分情報量が増えて来た「馬鹿な事を言うな」と言われるかも知れないが、ウエスタンスピリッツの電源ケーブルはこんなにエージングに時間はかからないし、もっと音に力や柔らかさや優しさがある、何より鮮やかである。
そしてもっと重心が低く癖がない、理由を考えるに、やはり市販の高級ケーブルは、ややこしい事をやりすぎていると思う、そしてケーブルを持った時、そのものの独特な音質がケーブルの音にのるのである。
いくらクライオ処理をしても、この被膜では伸びやかな音にはならない。
素線の純度はあまり関係ないと思う、被膜の質と素線の太さのバランスと作り方これが音を決める事もあり得ると思う。
100時間以上ノンストップで鳴らしてきた、生の音に練乳をかけたような、くもりのある甘い音である、霞んでいて最後の最後まで再生されない。
やはりプラス(ホット)マイナス(グランド)このバランスが良くない、作りも甘い、そして素線の太さのバランスも良くない、更に被覆の質と作りがどうしても甘い。
これが58万円とは正直、音を売るウエスタンスピリッツとしては驚きである、ウエスタンスピリッツのケーブルの音とは正直、もっと感情があり、涙がこぼれるが、このケーブルではその感動がまるでない。
しかし、音は力ないが綺麗である。
もっと言えば、輝くような曲の中の光の粒のようなものが全く見えないのである、だからウエスタンスピリッツはケーブルを研究し作ったのです。