左右のケーブルの長さ
ラインケーブルもスピーカーケーブルも、左右のケーブルの長さは長い方に合わせる、アバウトでなく神経質に左右の長さを合わせなければならない、これは常識である。
電気は早いと思いきや、具(つぶさ)に聞いてると長さで音は劇的に違う、と言うか長さが揃わないと位相も合わなくなる、抵抗値も変わってくる。
ユニットの設置位置も立派な位相管理(前後左右上下の微妙な相互関係)である、ならばケーブルも左右揃っていなくてはならない。
あまり上手く鳴っていないシステムなど、ケーブルの長さを揃えるだけでまともな音になる事がある程であり、これは当たり前の事である。
ウエスタンスピリッツのようなマルチシステムならば尚更である。
そのような緻密な音を鳴らしたくてマルチにしたのである、ケーブルの長さの音の差は、チャンネルデバイダーのレベル調整やネットワークのアッテネーターではどうにもならない。
ケーブルの長さの違いによるタイムロスもあるからで、音量ではないからであるが、これを分からずに何年もトライしてる方もいらっしゃる。
ラインケーブルも同じ事である、右は短いので1mで、左は長いので1.5mで「この方が配線が綺麗でスッキリするし音も変わらないから」との事だった、呆れた…
私が長い方に揃えて配線し直し聞いていただくと、驚いたのはお客様ご本人だった、当たり前である。
当然レベル調整からスピーカーのセッティングまで、大変な苦労をしたと後に笑っていた。
オーディオとは不思議な事はない、何かがおかしいから鳴らないのである。
「生の音はオーディオでは鳴らない」当たり前とも思うが、ソフトには実はかなりの情報量が入っている、それをいかに余すところなく再生するかにかかっているのだ。
生の音を基本として切磋琢磨してゆく、それにはおかしな所をまともにする事から始めたい。
シンプルにしっかりセンス良く丁寧に、ややこしい事は必要ない、でも時に大げさにやってみなくては細かい所に気がつかない事もある。
いつも仙人のように微妙な事ばかりやっていると、極端な変化を理解出来ないので、時に大胆に行ってみることも大切なのである。
それを極端だと馬鹿にするアホがいる、大まかな変化も知らずに最後の最後の紙一重の差など理解出来る筈がない、あくまで途中経過なのである。
大胆を征するものは、紙一重も征する事もある。
そんなに熱く語らなくても、と言われるかもしれないが、これは私個人の性格なのでお許しを。
とりあえず総てのケーブルの長さを左右長い方にmm単位で合わせ揃えてみて欲しい。
お客様の中には「システムを換えた位の 差がある」と言われる方も少なくない。
当たり前の事を当たり前にやってみてもらいたい。