JBLの魅力
昨今のJBLは様変わりして優等生になった、しかし良すぎるが故に床を震わせ他の機材へ震動を伝え悪さをする、これはヴィンテージも同じである。
なのでやはりなかなか皆さん使いこなせないでいる。
しかし今回は、ビンテージJBLのお話しである、私は130AとLE85が好きで使ってきた、個人的にJBLのユニット構成の中で、一番オーソドックスな組み合わせだと思うからである。
ドライバーの375や、ウーハーの2220Aや2205AやLE15A等も使ってみたが、やはり上記の組み合わせが私は一番好きだ。
しかし、なかなか上手く鳴ってくれない、カットオフ周波数とレベル調整、それら音質を司る部品の品位、これらがしっかり決まって来れば来るほど、今まで分からなかったあらが出てくるのである。
解決のヒントはお客様がくれた「スピーカーやラックや機材の下に板を敷いてみたら?」との事だった。
聞いた時は「何を言ってるんだろう」と思った「そんな事をしたら音がボケてしまう」その時はそう思った。
お客様は「私はやってみた、とりあえず聞きに来て、話はそれからにしよう」百聞は一見にしかず、伺ってみた。
帯域バランスがとれておらず、ボケたような力ない音だったが、問題はそこではない、確かに以前聞いたような軽く汚れたような音ではなく、お伝えいただいたようにしっかりした穏やかな音だった。
「これを自分のシステムに施したらどうなるだろうか?」と気になった。
「よしっ!!新居にこしたらやってみよう」と思った。
そして新居が建って直ぐ行動にうつした、その効果とは想像を遥かに超えたものだった。
因みに教えていただいたお客様のスピーカーはアルテックである、私はJBLである、荒々しかった音は微塵もなくなり、広がりとぶ厚さを追加したような、チャーミングな音に生まれ変わったのである。
そして使ってきた昔の名機が経年変化で駄目になっていた事まで分かった。
JBLが鳴らないのではなく、優秀が故に床を震わせ、他の機材へ震動を伝え音を濁らせ、スピーカー本体も鳴らなくなっていたのだと思った。
しかしこの震動メカニズム対策も私は気付かなかった、他にも色々な対策方法があるとは思うが、私は現に成功している。
あまり複雑な方法はいい結果を生まない、これも確かではないだろうか、電気的なあらゆる方法を使ってみても出来なかった。
最後の最後は震動だった事になる、JBLは単なるジャズを聞くスピーカーではない、何でもピカイチに鳴る。
最近のJBLは確かに優等生である、しかしヴィンテージの魅力も確かにある。
もっと切磋琢磨したいものである。