オーディオは音楽を忘れている
マランツが数年前オーディオ雑誌に載せていた言葉である。
私も同じに思う、オーディオはずっと使っているもののスペックばかりがクローズアップされて来た気がする、車も同じに感じる。
私も以前使っているCDPをけなされ続けたのでハイエンドに切り替えた、しかし購入してすぐその性能の差を聞き分ける事が出来たのか。
理解しだしたのは何と一年半を経た頃からである、安価な物ならば意外と早くに気がつくと思うが、ハイエンドの回路は複雑である。
メカもガチガチである、よってなかなか馴染まないのだと思う。
私もそうだった、明らかに「これはこれが凄い」とは思えなかった、それどころか「ふ~ん、こんなものか」と思っていた、そして少しずつインシュレーターを敷いてみたり、その下に板をしいてみたり、ケーブルや電源の取り方を自分なりの理論で考えてみたりして来た。
つまりお膳立てをしたのである。
真価を聞く方法は確かに色々あったが、やはり周りから正攻法でまともにしていく事が大切である。
あまり余計な事をしないで、何かを施したら暫く聞いている、こうしないと前後関係が複雑に絡み、分からなくなるからである。
つまり安定しない内は、あまり次から次へと色々付け足してはいけないと思うようになった。
早く音をよくしたいのは分かる、しかしそんなに簡単ではない。
やはり階段を一歩一歩登るように、丁寧に妥協なく重ねていきたいと思う。
常に平常心を保つ事が大切な事であり、人が自分のシステムを聞いてどう感じるのかを常に考えている。
いくら自分のシステムだとはいえ、やはり踏み外してはいけない帯域バランスと言うものがある、これを好みや自己満足で片付けてはいけない。
いつの間にか音をよくしようとやってる内に、オーディオは音楽を忘れている、私もそう思う。
オーディオは音を聞く以前に、音楽を聞くためのものだと思う。