定位
ただひたすら一点だけを見つめてオーディオを聞いていると 、 総てを見晴らせる時がある、これが私の言いたかった定位です。
どんなに機材を弄ってもその定位が鳴る事はない。
あくまで機材のスペックが上がっただけでその先がない、私はそれをもっとお伝えしたくこのブログを始めた。
しかしご理解できない方もいらっしゃる、でも分からなくても音は理解出来るらしい。
これは感じ方の違いで、そう言ったアイテムが思考にないだけだと思う。
横一列に並ぶと表現する方が多いが、そうではない、そもそもそのように録音されてないのです。
後奥行きが分からないと話す方もいらっしゃる、しかし奥行きつまり前後感は確かにある、そして上下感や左右感もあります。
でもこれが分からないと二本のスピーカーの微妙な設置の仕方や、ユニットそれぞれの置く位置が分からない事になる。
これが分からないと位相の管理は難しいと言わざるを得ない、これだけは誰も文献にしてないからである、二等辺三角形の頂点で聞くなど間違えた理論を持った方もいらっしゃる。
位相の管理が分からないと正しい帯域バランスをとるのは難しいと思う。
定位がしっかりして来ると、こちらが多少リスニングポイントから動いても、しっかりその位置から音が聞こえて来るから不思議である。
そして帯域バランスも含め音が良くなる、私の友人にひとりだけ二本のスピーカーのセッティングに優れた方がいる。
私個人はそのセッティングがどうしても出来ない、私はその感性に乏しいのだと思う。
私のスピーカーはオールホーンシステムなので、指向性が強く特に難しいが、友人が来るとかなりの確率でそのセッティングが決まる。
友人の話によると使ってる機材は関係ないようである、左右のスピーカーがリスニングポイントで聞いた上に於いて、揃って動作しなければならないと話す。
余程特殊なスピーカーでない限りセッティング出来ると話す。
そして私がまだオーディオの販売員だった時、沢山のスピーカーが展示されてる一つを鳴らすと確実に言い当てる事が出来た、今でも変わらない筈である。
そのメーカー独特の音がすると言うのである、私にはとてもではないが無理だった。
どんなお客様で試しても分かる方はひとりもいなかった。
その友人のオーディオはその定位が間違いなく鳴っていた、私にそのセッティングは出来ないが聞いたら理解出来た。
神経質な鳴り方ではあるが確かに鳴っていた、彼のスピーカーシステムはタンノイのGRFメモリーだった。
昔はヤマハのNS‐1000(NS‐1000Mではない)だった、その頃から音は抜群だった、彼は某大手スタジオのレコーディングミキサーだった。
本当に妥協なく二本のスピーカーが消えたような鳴り方を聞いたとき、自分の耳を疑った。
暫く自分のシステムを聞く気にならなかった。
定位が真に決まっていると音も優れているのです。
しかしこの様な定位は、彼のシステムでしか聞くことはなかった。
素晴らしいと思う。