三度、櫻井邸へ
結局、我々は、世間とは全く異次元の人種とわかった。
櫻井さんとは頻繁に連絡をとりあう仲になってきた、当然世間にはびこるオーディオマニアの話になる。
正直我々はどなたの考えとも違う、オーディオをどれだけ真剣にやってきたのかは、所有してるソフトで分かる。
しかし私はその櫻井さんの地雷を踏み、明らかにされてしまったのである。
そしてジャズを知らない私に、櫻井さんはレスターヤングを聴く事の大切さを、色濃く教えて下さった。
そして人生の総てを駆使して、レスターヤングのソフトを集めてくださった。
みんな言って下さる「もしあなたが気に入ったのなら、時間があったら探してみるよ」ところが今までは何一つ見つかったためしがない。
「そんな話はないだろう?」私はずっとそう思っていた。
しかし、櫻井さんは違う、僅か二ヶ月足らずの間に、名盤をほぼ集めてしまった。
それでも、支払ったお金は五万円にも満たない、愚の骨頂のようにオリジナル盤が総てではない。
正直オリジナル盤の世界では一枚ぶんにも満たない金額だと思った、そして聴いてみて、システムを構築して来た意味を知った。
帯域バランスが崩れると正当な評価も出来ない、そして櫻井邸で聴いたバリエラ&フェアチャイルドのアームの相性のすばらしさを忘れる事が出来ない。
私は妥協なく一瞬で分かった「これは素晴らしい、音が鮮やかだ」と、しかしこれすら一般のオーディオマニアには全くご理解願えない事も。
お金があっても宝物は見つからない、お金がなくても購入が出来ない、この狭間はどうしても埋まらない。
切なさを感じ、これがレスターヤングなのだと感じた。
今回もやはり、荻窪の櫻井洋一サウンドは健在だった。
excellent !!