オーディオケーブルあれこれ
時間があいたので、ネットでウエスタンの線がまたはオーディオケーブルがどう評価されているのか色々調べてみた。
私は元ズボラで、好きな事しか出来ない男であった、その好きな事しか出来ないが、私の場合、たまたまケーブルを作る仕事に向いていたのだろう、そう思う、しかしやり始めると徹底的にやった、後先考えていなかった、とにかく市販のケーブルが気に入らなかったからだ、何を買っても大した事はない、能書きやデザインばかり立派で音はさっぱりよくならない、うんざりした、その時に東京近郊のオーディオショップで、ど偉い人との出会いがあった、そして私のオーディオに再び火がついた。
本題に入る、正直色々読んでいてうんざりした、そうか、こんな程度なのか、私の研究結果とは、ずいぶん次元が違うなと思った。
ウエスタンの線は全体的に音がタイトで、高域は良いが、古いので低域は不足していると語られていた、なんじゃこりゃ?
そんなケーブルの検証しかしてないのか、ちゃんと検証してないのが私には分かる、古ければしっかり錆を落とさなくてはならない、その後にしっかりと残った脂をアルコールや水で洗い流し、綺麗にしてから、接点復活剤などで処理をして、素早く被服をかけて一気に作る、そこまでしないとまともなウエスタンの音など聞ける筈がない、断っておくが、現代の銅線は総てリサイクルされまくりである、いくら頑張ってクライオ処理をしても、8N~9Nに純度を上げても本当は粒子はそろわない、だから音が汚い、新しいピン端子も音が悪い、ウエスタンの1940年以前の線はリサイクルされていない、先ずはそこからして違うのだと知ってほしいのだ、馬鹿な事を書いてると恥をかきますよ。
まず、ラインケーブルは、端子の音質や半田の音質が出来上がったケーブルの音に大きく影響する、その辺はどうなのだろうか?ウエスタンケーブルサウンドを検証したと書いている人達はその辺全く考慮されていないのが私には分かる、ウエスタンスピリッツのケーブルは、その話をしている人達が試した音質とは、全く違う音だと言う事だ、一緒にされたくないと思った。
私は自分の作ったウエスタンケーブルだけを検証した訳ではない、ネットで販売されているウエスタンと称されるケーブルは、ほぼ、素材も含め、実際に購入して聞いている、線の素材は酷いものばかりで説明のような音など鳴らない、ケーブルもどれもが簡単な作りで、誰にでも作れる、処理が下手で、酷い汚れた品のない音だった。
それと疑問なのだが、本当に使ったのだろうか?ウエスタンのどの線を聞いたのだろうか?
そもそもウエスタンシステムの音は確かにあるが、ウエスタンの線の音などどこにもない、よく書かれているが、実はレンジの狭い線など本当はどこにもない、強いて言えば選ばれたる優れたウエスタンの線は、鳴らすジャンルを一切選ばないと言う事だ、それだって本当は極僅かな差なのだ、ようは作り方だ。
年代によって太さによって、使われていた場所によって、それをどう作るかによって、全く音は異なる訳だし、何よりどの線をどの様に使い、どの様に作るのかで音は決まると言うのに、どの様に作り聞いたのかが全く書かれていない、誠に無責任である。
それでは先ず論争にもならないと私は思う、笑ってしまう。
ケーブルをかえても音が変わらないと頭で思い込んでいる人は別(救いようがない)としても、オーディオケーブルは定数を変えられないフィルターだとご理解いただきたい、作り方で鳴り方が変わらぬ筈がないことは明白である。
ケーブルは当然、被覆の量と質も大切な鍵になる、それは何故か?ケーブルがフィルターである以上、ケーブルの外を包む素材(被覆の材質)の静電容量も問題となる、とにかく簡単に作る事は出来ない。
でも、決定的に音質を決めるのは、プラスとマイナスの線の太さの比率であり、また、プラスとマイナスの線の被覆を合わせた距離も質もある、プラスとマイナスの線に、薄く被覆をかけて(スミチューブやガラスチューブは駄目)双方の距離を短くした場合、中域の充実感につながり、離すと音はスッキリするが、やはり全体的に薄い現代のハイエンドトーンとなる、しかしプラスとマイナスをよじってしまうと、レンジは狭く感じ、ジャズのブルーノートだけを好んで聞く人には重宝されるが、特にクラシックが閉塞感を伴い、広がりを感じず響きが上手く鳴らなくなる、これは中でプラスマイナスの線同士が電磁誘導を起こし動いているのを、よじる事により、その動きを若干止めてしまうため、動きずらくなる、その結果レンジは狭まり、ナローレンジになり、中域重視となる為だ。
オーディオケーブルは適度にショートしない程度の被覆をかけて、プラスマイナスをあまり離さずに平行に作るのがレンジ感も良いし、鳴るソフトも増えて音に違和感が少なくなるようだ、しかし、私が悩んだ様に簡単には作れない、私は約20年かかった。
次に、シールドと、ブラスマイナスの距離であるが、一般的なオーディオケーブルのシールドは、ブラスとマイナスの両方にしてある、これは全く意味がないと私は思う、音があまくボケるからである、シールドはプラスの線だけにするべきである、分かり安く言えば、同軸ケーブルにマイナスを追加する、しかも最後までシールドを落としてはいけない、方向性だが、シールドはプラスの流れと逆に流れないと、音に鮮やかさとパンチが出ないし繊細にならず、のびのびしない粗い音になる、私はケーブルを色んなパターンで作って、その方向性を徹底的に聞き比べた結果、エンドのマイナスにシールドを落とし、スタート側の数ミリの所でシールドをカットし、最後で完璧に浮かせている、その作り方が一番ベストだ、最後までシールドを落とすと、音がうるさくなり音が団子になる、つまりナローレンジに感じる、アンテナケーブルの3C2Vじゃあるまいし、みんなはその作り方でウエスタンケーブルを検証している、これではお話にならない、これは理屈ではない、その方が良いから私は話している訳だ、このケーブルの作り方は、高周波の無線の世界ではけっこう知られている、高周波はオーディオなど問題にならないくらい外来ノイズに敏感なのだ、私はそれをオーディオケーブルに取り入れた。
そして、当然ウエスタンのどの線を使うのかがそこではじめて問題になるのであって、ウエスタンの線が新しいか古いかなんて、話題にのぼる以前のお話しである。
全くのナンセンスである、そんな程度の検証で、易々とウエスタンケーブルの音質など語っていただきたくはない、しかし、私はウエスタン信者ではない、お断りしておく、それどころか私は、ウエスタンのシステムになんの興味もない、マニアの方には申し訳ないが、時代は進んでいるのだ。
ちゃんとしたケーブルを作れる人は日本製の単線でも、合わせ方で優れたケーブルを作れる、けれどやはり選ばれたるウエスタンの線は、他の線と比べてケーブルになったときに、しっかり作れれば音が群を抜いている。
ウエスタンケーブルの音はどんな感じか?値段の相場はいくらか?なんてのもナンセンスだ、では答えよう、どうやっても私には安くは作れない、音の良いケーブルを作るのは色んな方法があるが、検証していくと簡単には作れる訳がない、物凄く難易度が高いから。
こんな事はあまり呟きたくないが、あまりにも最近ウエスタンケーブルが安く出回っていて、そのどれもが音が悪く、市販品とたいして変わらない(むしろ音が悪い)から、あまりにも頭に来て、独り言を言ってしまった(笑)