JBLはやっと上手く鳴ったが…
当たり前の事にとても驚いた、それはオーディオと全く関係ない事からだった。
去年まで元気に動いていたエアコンが今年壊れた、うんともすんとも言わない。
この部屋に入居したときから付いていた、大屋さんが付けてくれたリスニングルームの小さなエアコンである、見てもらうと取り替えになるらしい、オーディオに向かって左側である、我が家は狭く、アンプやCDが山のように積んであった、それを今日、エアコン工事の邪魔になるからと、他の部屋に移動した。
部屋が、少しスッキリした、何の考えもなく、夕方レコードをかけた、最近確かに音は静かで周波数域が広がっていた、音は少しずつ変化していた、すると今まで少し左に寄っていた鳴り方が正常になり、低音が更にのびた、そして忘れていた余裕のある音が蘇った、少しずつ物が増えていたので、今まで気付かずにいたのである。
鳴り方が違う、それでもまだ残骸は半分くらいは残っている、この状態まで鳴ってきたら、広く片付いた部屋に、このオーディオを据えたら、どれだけ素晴らしい低音になるだろう?しかし、私の期待も虚しく四度目の住宅ローン審査に落ちたのである。
何故四度も審査に落ちるのか?やっと少し分かってきた、どんなに個人情報を調べても、自分達の信用は全く悪くはないのだ、大きなエアコンも液晶テレビもローンは総てなんの滞りなく終わっている、リボ払いもキャッシングも全くない、消費者金融も利用した事がない。
つまり色々調べた結果、実家の家は、今のままでは建て替えの出来ない場所だった、しかし金融機関は一切NGの理由を教えてはくれなかった、わからないまま金額を下げたりして、あちこちにローンを申し込み、四度の審査に総て落ちたのだ、おかしな話ではあるが、NGの理由は個人情報になるので、教えてはいけない決まりになっているのだから仕方がない、銀行は個人情報の漏洩や審査基準を一般に知られるのを嫌うのだろう。
そして私たちは調べた、つまりこうだった。
私は、父の所有する実家を取り壊し、その土地に新たに家を建てようとした、しかし分かっていたが、建て売りだったのである、道がどこにも抜けていなくて、どん詰まりの道、間口は二メートルある、これはクリアーだ、しかし所有している土地の目の前の道路の所有権は、その家を売った不動産屋さんの名義になっている、つまり接している道路がない、私には所有する土地に面した道路がないのだ、県や市の道路になっているか、目の前の道路が自分の名義になっていないと、今は建て替えが出来なくなったようなのだ。
さて、なぜそこに家を建て替える事が出来ないのか?である。
数年前からこんな事が日本のあちこちでで起こっている、道路を持っていた不動産屋さんが経営の悪化で倒産、その道路の所有権を〇暴が購入、〇暴は道路の真ん中に車を停めて、やりたい放題、ここは俺達の土地だ、通るならば通行料を支払えとなった、当然民事だ、警察は手を出せない、困った住民は、みんなで裁判をおこした、しかし住民側が敗訴、〇暴の言い分が通ってしまったのである、日本では所有権が絶対なのである、そんな面倒な事になるかもしれない物件に、銀行は、土地も建てる家も評価額をゼロとして、融資をしないとの取り決めを密かにしているらしい、それとその道路には各々の水道が来ている、その工事にも色々支障をきたすらしい。
しかし抜け道はあると思う、父の家を販売した不動産屋さんはまだ健在で、〇暴の手に渡ってはいない、なかなか話の分かりそうな不動産屋さんみたいだ、でも今のままで土地の評価額がほぼゼロならば、私達がどんなに努力して色々クリアーしてもローンが通る筈がない、それがやっと判明。
今はその件で動いている、しかし動いてみると、これも捨てる神あれば拾う神ありとは正にこの事である。
だからなおさら、今日エアコン工事の為に片付けた、スッキリした部屋で鳴っているこの音が恨めしいのだ。
家を建てるぞっ!
そして、防音のリスニングルームを作るぞっ!
そしてそこで、更に優れたオーディオケーブルを作るぞ!