オーディオを上手く鳴らすと言う事
これから私が呟く事は、あくまで私の独特な経験と実験結果から来る、個人的な主観であるととらえていただきたい、そしてこれが私のオーディオスタンスである。
やはりセンスが必要になる、それとかなり粘着質な性格も必要になると思う。
今更語る迄もないが、オーディオは簡単には鳴らない、私は年齢のわりに実にたくさんのオーディオ好きを見てきた。
みんな人に良いと言われると、すぐにそちらに買い換える、だからいつまで経っても貴方のオーディオは鳴らないのだ。
今使っているシステムを、そこそこに鳴らせないで、次に行ってはいけない。
自分だけは違う、みんなそう思っているでしょう?でもそんな貴方も実は一緒だと言う事です。
私も以前はそうでした、それは多分、自分に自信がないからではないでしょうか。
私は今カートリッヂにDENONのDL-103を使用している、何故かと言うと一度若い頃の自分の原点に戻り、今一度使い込んでみたかったのである。
私はアホな男だ、金もないのに良いと聞けばどんなに高価な商品でも次から次へと買い換えた、その結果お金をかけても、大して良くならないのだ、むしろ高級品が故に調整が難しく、その真価を引き出せないでいた、今考えるとそうなっていたのだろう、そして安い商品を馬鹿にしていた。
冷静に振り返り、そうなっていた自分に気が付いた時、DL-103はまだ全く変わらずに私を待っていてくれた、そんな気がしたのだ、とてもいとおしかった。
もう諦めないぞ!しっかり鳴らしてみようと思ったのだった、そして久し振りで新品を購入して思った、フレッシュで素晴らしい音だ。
なんの事はない、オーディオは全く進歩していないのだ、スペックばかりにとらわれて原点を忘れている、少なくとも私は戻って来られた。
103は丸針なのでモノラル盤もそのままかける事が出来る、誠にありがたいカートリッヂなのである。
確かに丸針なので再生周波数は狭いのだろうが、私にはあまり感じない、私は人間でありコウモリではないからだ。
聞こえなくても必要な音域があるとよく言われるが、聞こえない周波数は聞こえないのだ、何故必要なのだ、誠に不思議な話だ。
耳を測定したらそれは分かる、私の年齢になると、15000Hzを分かる人は極まれではないかと思う。
いくら基音に倍音がのると言われても、聞こえないものは聞こえない、測定して結果は出ているではないか、しかし体で感じる重低音も確かに存在するが。
私の話す良い音とは、音質ではなく違和感を感じるか否かである、その違和感の中には色々な要素が絡む、違和感を感じるようではお話にもならないと言う事を話したいのだ、もっと細かく話せば、個人個人によって感じ方が違うのもまた事実だが。
少しでも長い時間あれもこれもと聞きたい、だからちゃんとした調整がどうしても必要になって来るのであって、どこのどのメーカーの何番を購入しなければこの音にはならないなんて全くのナンセンスだと私は強く言いたいのだ。
それではJBLを使おうとタンノイを使おうと、真空管アンプを使おうとなんのコンセプトもないし、音に対して、なんのプライドも私には感じない。
かわいそうに、そう思うだけだ。
そして本当の本物に出会っても、ブランド志向なので本当の事が分からないのである。
音を良くする為にお金を使いすぎるのはどうだろうか、むしろ音を良くする為に他にやることがまだまだたくさんある。
良い音の商品はどこにもないのだ、センスをもって調整出来る人が良い音を鳴らせる、そして本物を見分ける事が出来る、少なくとも私自身はそうでありたい。
オーディオを良い音にするのは貴方だ、器械ではない、鳴っているのは貴方自身だ、オーディオが良く鳴っているのではないと私は思う。
良いと言われる装置を揃えて、良い音を鳴らしてる人を私は一人も知らない、これが総ての答えだろう。