1950年代だけがジャズの総てじゃない
かつては私も、ブルーノートやプレステージのレコードの音を追いかけ、上手く鳴らそうと躍起になっていた事があった。
そして、枯れた音、それこそがジャズだと思っていた。
しかしオーディオを上手く鳴らそうとすればするほど、色々なジャンルやレーベルと深く関わりをもつ事になる、そして思った。
自分は何にも分かっていなかった、とても狭い世界にいた事に気付いた、しかしその時すでにレコードは殆ど新品で購入出来なくなっていた、つまり中古でしか購入出来なくなっていた、その頃中古ではろくなレコードがなかった、本物はべらぼうに高い、私が本気でレコードを集めだしたのはそれからである。
日本盤キングのブルーノートは何枚か持っていた、そして少し経つと、ジャズのOJCが何年かの間再販されだし、安かったのでたくさん購入してみた、なかなかだったが、後に音が薄いのに気付く。
となれば最近はネットオークションになるが、連絡がまどろっこしい、なかなか返事が帰って来ないからイライラする。
そして月日は流れ、私のオーディオはある核心をついてきて、細かく調整中だった、その最中Concord(アメリカのレコードレーベル)の再生が難しいのに気が付いた、これは主観だが、つまりConcordが上手く鳴った時、他のレコードも上手く鳴るのに何度も試し、私は気が付いたのである。
Concordが上手く鳴った時の音とは文にするとこんな感じだ、太く開放的でレンジが広く奥行きと空間の再現や広がりがある、それに反し、細くなったり、ストイックに鳴った時は、他のレコードをかけてもうるさくて上手く鳴らない。
昔私がやっていた、ブルーノートやプレステージやリバーサイドやコンテンポラリー等でオーディオを調整するのがいかに難しいかである、米のConcordで、もしも上手く調整出来たら、それらも驚くほど上手く鳴るのである。
間違えてほしくないのは、ブルーノートやプレステージやリバーサイドやコンテンポラリーの録音が悪いのではないと言う事だ、ただオーディオの調整に向かないと言いたいのだ。
私はジャズだけ聞くのではなくクラシックもロックもポップスも聞く、実に色々なジャンルやその色々なレーベルで調整を試みたが、最後の最後にConcordに行き着いたのである、個人によっては多少の好き嫌いや、ご指摘はあるだろうが、今は何でも普通に聞ける様になったのである。
これって大切な事ではないだろうか?私は貪欲に何でも楽しく聞きたいのだ、ジャズはエネルギッシュに鳴るが、クラシックはちょっとうるさいでは、はっきり言って自分を狭めてしまうと思う、私は何でも聞きたい、だからシステムの音を標準的にしたかったのだ。
片寄った音のシステムを使っている人が作るケーブルは、音が片寄っていると言われたくないのだ。
私のケーブルが今の形になって約一年たった、少し前まで、ウエスタンスピリッツのケーブルは、シールドをしていなかった、今はシールドをしている、その方が音は静かでフラットでダイナミックになる、たくさんの方に聞いていただき、その答えは間違いないと判断したからだ。
Concordのレコードが私にそれを教えてくれた気がする、ウエスタンスピリッツのケーブルはジャンルを全く選ばない。
1950年代のレコードの話から飛躍してしまったが、総ては語ったとおりだ。
そして、米のギャラクシー盤アートペッパーのレコード、ストレイトライフがこれ程凄い録音だと私は知らなかった、何軒私と似たようなシステムを聞いても、このレコードだけは我が家の様な音はしなかった、さて…何故なんだろう、思い当たる総てを考えてみた、その結果、これはケーブルだと確信した。
オーディオの調整にも、ケーブルの検証をするにも、あまり1950年代ジャズのレコード(時にステレオ盤)を使わない方が身のためだと私は思う。