オーディオケーブルは端子も半田も大切
細かい事を話せばきりがないが、作り方で音が決まるのは分かっていたが、私は端子や半田でケーブルの音がこれ程変わるとは正直思ってもみなかった、過去にカナレや、ノイトリック等も使ってみたが音が今一つだった。
私は昔スイッチクラフトの、プラスの線を端子の中心にある穴から出してそこに半田をする小さなタイプの端子を使っていた、音は確かに良いのだが、とにかく接触不良が多くて困っていた。
対策として、秋葉原に行き、日本の金メッキ端子を仕入れてきて、それを何の疑いもなく10年程使ってケーブルを作っていた、しかしいくらモニターケーブルを貸し出しても評価も今一つだったし、売れないのだ、そしてあるお客様から、やはりスイッチクラフトのシルバーの端子は音が良いとの情報が入った。
私は、また接触不良になったら困ると思ったが、以前のとは物が違うと言うのだ、ご自分で何本か作って試したら良かったらしい、そのお客様が、どうしても購入してきたスイッチクラフトの端子で、ウエスタンスピリッツのケーブルを作ってほしいとの事だった。
届いた端子を見ると以前のより外見は少し大きいが、たいして変わらない、違いはみなさんがよく使っている金メッキの部分もシルバーになっている、以前の端子よりは少し大きなものであった。
私はその時はまだキースター44の半田を使っていた、しかしその半田にもやはり日本の端子のような、品のない場末のキャバレーで聞いてるような、汚い汚れた音だったのに気付くことになる、これは僅な差ではない、圧倒的に違った。
そのお客様は端子を見つけた少し後に、ネットオークションで色々探し、イギリス製の一部の半田の音が良い事を知り、端子と一緒に送られてきた。
新たなスイッチクラフトの端子といい、イギリス製の半田といい、とにかく上手く端子に半田が乗らないのだ、コツがあり、今では百発百中上手く出来る様になったが、出来上がったケーブルの音を聞いて私は仰天したのである、なんという癖のない力強い、品の良い音なんだろうと思った、音質は、総てちゃんとクリアーに鳴るのに、全くうるさくならないのだ。
そして、以前接触不良が多かった端子と今の端子を家内に見比べてもらった、マイナスの円の部分の大きさが、接触不良の多かった端子に比べ、やや小さいと分かった、やはり女性の見る所は全く違う、私も見たが確かにほんの少し違う。
それからである私のケーブルが少しずつ売れ出したのは、やはりみんな聞いて分かるのだ、その証拠に貸し出すときに、そのことは伝えてなかったからだ、そして私のケーブルはそれからも進化を続けやっと一年前にうんっ!これだ、と言うシールドケーブルが完成したのだ。
当然私のオーディオシステムもケーブルのおかげで音が格段に良くなった。
ケーブルに使う線の素材(かなり微妙)、作り方、巻き付ける絹糸、長さ、端子や半田、何一つ妥協点があってはならない、オーディオケーブルはとても作るのが難しいのだ。
そして工具もとても大切である、切れ味の落ちたニッパを使っていたりすると、当たり前だが、出来上がったケーブルの音に凄く影響するのだ。
毎日使っていると、特にニッパは、だいたい三ヶ月で駄目になる、工具は安くて良いものは絶対にない、私は大きなホームセンターで売っている中で、だいたい一番高いのをいつも購入してくる。
半田ゴテも色々あるが、私はケーブル屋だ、30Wなど全く役にたたない、天婦羅半田になるのがせきのやま、しっかり熱を加え一気に半田を染み込ませる、半田ゴテは最低でも60Wそしてやはり100Wが良い。
私のケーブルはそのスタートからして考え方が全く違うのだ、このような馬鹿みたいなケーブルを作っているのは私だけだろう。
似たようなケーブルは存在するが、ウエスタンスピリッツのオーディオケーブルとは、全くの別物と分かってほしい。
けど、ネット上ではなかなか総てを語れない理由がある。