リッツ線ラインケーブルその2エージング完了
携帯で撮っているので汚く写っていますが、実際端子はピカピカです、上の写真はピン端子の中を上から見たところ、下の写真はシールドの半田の様子。
午後三時に試聴を始めた、先ずは米Concord CJ-51ジョー ベヌーティーのヴァイオリンの音は艶っぽく上品に、妖艶に柔らかく鋭くなっていた。
シンバルの音は、潤いがあり量的には明らかに増えたのだが耳に刺さらずに、奥の方から広がり前に出てくる、ツィーターを取り替えた位の違い。
ピアノの音は等身大で太く鮮明で、柔らかさと鋭さと気品が無理なく目の前に広がった、特に高いキーを強く弾く音はフェルトのハンマーが弦を叩いてるのがよく分かり、どんなに強く弾いても本物っぽく柔らかく、高域がどこまでも高く無理なく抜けていて気持ちが良い。
ウッドベースの音は音階がハッキリしていて柔らかいが、強くボケない。
ドラムの音は総じてクリアーだが、まだ線の太さと数を吟味する必要ありとみた。
色んなジャンルのレコードを聞いたが、特に女性ボーカルが色っぽく若々しくクリアーに再生された。
今回の実験で私が作った絹巻きリッツ線ラインケーブル、日本の0.29ф単線12本を使ったリッツ線の音は、単線の太さとその数をもっとシビアに追い込めば、かなりのレベルだと思う。
みなさん、やはり被膜は大切だし、ケーブルは作り方でその音は大きく違う。
白状するが、今回同じものを被膜を絹糸でなく、あえてスミチューブと今流行のシースでも作ってみたが、実に酷い音だった、石油系の被膜がいかに音を汚しているか、ハッキリと分かった。
音は耳に絡まり、ゴチャゴチャしていて、ヒステリックでピャンピャンうるさい、低域も高域ものびがなく、中域は薄くて品がなく力がない。
それはなぜか?
私の主観だが、リッツ線にするためには複数捩った線をガッチリと被膜で圧力をかけて固めたいのだが、スミチューブやシースでは、そこまで締め付ける事は出来ず、ふにゃふにゃになる、その上にシールドをしなければならないが、すると更にふにゃふにゃになる、最後にプラスとマイナスをやはりスミチューブで固めてみるが全く強くしまらない、そこにシースをかけてかっこよくするのだが、出来上がったケーブルを叩いてみると、音はクンクンとくもった音しかしない、絹糸を巻いて作ったケーブルは、コツコツと何とも良さそうな引き締まった音がする。
プラスとマイナスが強く引き締まらず、中で電磁誘導によって線も被膜も動くのと、やはり叩いた音そのものの音がオーディオケーブルにはあるのだ、楽(らく)して優れたものは作れない、その最たるものではないだろうか。
私はそう思う、高価な電線を何本使ったとかそんな簡単なものではありません、出来る限り静電容量の少ないもので、音を良くするには、余計な響きをつけない被膜を、いかに強く素材に密着させ作る事が出来るかにかかっている。
私はそう思う。
ケーブルは、トランスと作り方がちょっと似ているのではと思う、優れたトランスを作るには、重なっていく巻き線と巻き線の間に蝋紙や和紙を入れる、何故蝋紙や和紙を入れるのか?薄く静電容量が少ない事と、絶縁強化の為だろう、そしてニス等で巻いた線が動かないように更にガチガチに固める、私はケーブルも同じと感じる、一つだけ違うのはケーブルはニス等で固めると高域も低域も出なくなってしまう、だから私は絹糸を強く巻き付けて適度に電磁誘導を抑えケーブルを作る、みなさん、オーディオ総てを繋いでいるのはケーブルです、ケーブルがなければ総ては何にも繋がらないのです。
甘いケーブルからはやはり甘い薄い音しかしない。
まだまだリッツ線ラインケーブルは実験段階だが、それまでに完成しているリッツ線でないウエスタンケーブルの音には、圧倒的な音の芯と勢いがある、今回のリッツ線ラインケーブルは表皮効果なのか歪みがなく、気品と鮮明さと奥行きがある、どちらも素晴らしい、正直甲乙つけがたい。
少し分かって来たのは、リッツ線のラインケーブルとは、総じて高域が綺麗で、優しそうで強く、柔らかそうで鋭くクリアーな、歪みのあまり感じない、柔らかく聞き疲れしない、耳に来ない自然な音なのかも知れない。
そして今まで感じなかった低音のゴロゴロした本当に低い音が出た、私のスピーカーボックスはJBL4560です、今まではドーン!とかブーン!とか言う音は引き締まり迫力たっぷりに再生したが、最後の所で少し歪んでいたのが分かった、今はその歪んだ様な低音がかなり軽減され、更に低い周波数を再生出来た、これはリッツ線ラインケーブルを作る前にはなかった音だ、太さを変化させるとその音はもっとのびる気がする。