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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
移転したものです。

単線、捩り線、リッツ線ラインケーブル

ケーブルの音質の比較は総て同じ長さで作り行ってきた、誰もやらないならばやってみよう、そう思った。

そして、ウエスタンスピリッツは実に様々なケーブルを作ってきた。

初期の頃(1997年二月)は師匠と呼べる方に知り合い、ラインケーブルは単線の研究に始まった、0.08фにはじまり、4.0ф単線迄絹巻きで色々な作り方で試聴した、その結果ラインケーブルは、0.4фから0.6ф位の音の帯域バランスが最も優れていた。

そしてシールドをするかしないかは、後になりシールドはするべしとの答えになった、ケーブルは外来ノイズの影響を受ける、そしてケーブル自体がノイズを出している事が分かった。

次にプラスマイナスの線を捩るのか捩らないのかである、これには賛否両論あるとは思うが、捩ると聞いた感じ帯域が狭くなる、捩ってニス等を塗って更に固める方法もあるが、同じく帯域が狭まり、閉塞感がある、但しプリとパワーアンプの間に繋ぎ、かなりパワーを入れる鳴らし方をするPA(パブリックアドレス)みたいな鳴らし方ならば、再生周波数は狭まるが、フラットな感じになり、希に効果を発揮する事もあった。

けれど個人的にプラスマイナスは捩らない方が音は開放的で良いと思う。

では何故捩ったりニス等を塗って固めるのかであるが、ケーブルは中でプラスとマイナスが一緒になっている、オーディオは交流なので単純にプラスからマイナスへ電気が流れている訳ではないが、お互い反対の方向へ流れている、するとプラスとマイナスの間に磁界が発生する、その為、プラスとマイナスの中線は電気の流れる反対側に動こうとする、これが電磁誘導だ、電磁誘導はかなりのエネルギーロスになる、これを捩ったりニス等を塗って止めようとするのだが、理論と違い電磁誘導で動くのをあまり止めてしまうと、聞いた感じ音の帯域幅が狭くなったり閉塞感を伴う、しかしニス等の塗った素材の音の事ではない、中線が動くか動かないかである。

個人的に電磁誘導は、適度に止めるのが一番と判断し、プラスマイナスを捩らず絶対平行にして、絹糸を強く巻き付け、ある程度電磁誘導を止めようとしているのもある、しかし後にお話しするが、絹糸を巻いているのはそれだけの話ではない。

次にシールドとプラス線との距離やプラスマイナスの被膜をした後の距離が問題となる、あまり遠い(被膜が分厚い)と音は拡がるが、中抜け(中域が薄く明るい)で腰砕けの音になる、近くなるにつれ、しっかりした骨格のある音になる、個人的に適度に近い(ショートしない距離)方が音は優れていると思う、これは捩り線、単線、リッツ線総てに言える事である。

次に裸単線多芯線である、一般的に市販品は、0.1ф(㎜)~0.3ф位の単線をある程度の本数束ねて作られている。

しかし何度色んなメーカーのケーブル(市販品)を聞いてみても、音に芯のない事に気が付いた。

裸単線を何本束ねてみても、理論上は数が増える為太い単線の効果となり、低域には影響するが高域には、影響が少ないと聞いた、しかし違う、そんなに単純なものではない、裸単線を束ねた場合にもリッツ線の様な表皮効果は期待出来ないが、やはり歴然とした答えがその径によっては違いが出る、やはり細い線を使った方が高域は出るが低域は細身になる事が作り方によって分かった。

私は色々な線の径を試した結果、裸単線はスズメッキをしていない0.6ф裸銅単線を四本束ね、プラスの線にすると音の帯域バランスが優れている事に気が付いた。

これはウエスタン等も含め、販売されている総ての裸銅単線で実に様々な合わせ方で実際に作り、ウエスタンスピリッツは研究し尽くした、とにかくお金がかかった、大きな家が一軒は確実に建つ金額である、その結果である。

次にリッツ線ラインケーブルである、この実験にはそこそこの雛形があった方が目標があり作り易いと思う、上記の0.6ф単線が四本、これが音質と断面積の基準となった。

ところが、全く理論が違うので、計算して作っても狙った音にはならないのである。

当然素線の径を増減しながら探っていく事になる、初めは無限大と思われた素線の径や数はあるところから絞り込まれてくる事となった、いくら無限大とは言ってもやはり音の良いところのツボは存在するし、径による素線の選択と増減の音の変化には、あるパターンのある事に気付いた。

リッツ線でない裸単線の数を増やして行くと、あるところで、音質の変化は止まり、増やせば増やすほど低域はダンピングが落ちてきて、高域が減りマイナス面へ作用する様になるが、減らして行くとやはりあるところでその作用も止まり、低域は減衰し高域も明るく跳び跳ねた様にうるさくなる。

それはリッツ線も似たような感じをうけた、メーカーが昔戦争になったように、他社が100ならわが社は150いや200だと、実際にリッツ線をたくさん作り実験した当人からすれば滑稽で笑ってしまう。

色々やって来て今、アナログを聞いている、CDとの違いは、耳に来なくて鋭角でしっとりしていて何より現実的である事、CDの音と言うのはどんなに上手く鳴っても、新しい録音はカッコいいが、どこか飛んでいて現実的でない。

そんな気がします。

この両者があるからオーディオは難しいと言わざるを得ない、ケーブルもまた然りである、完璧なケーブルはないが、良いものは確かに存在する、ケーブルで音が変わらない、そんな事はあり得ない、総てを繋いでいるのがケーブルであり、ケーブルがないとオーディオにならない、ケーブルは拘るべきである。

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