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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
移転したものです。

アナログをもっと鳴らしたい。



昨夜は酷い台風だった。
一番の基本はやはり良いレコード(1950年代のジャズならばオリジナルモノラル盤)を所有する以外にないが。
先ずは自分の予算や音のコンセプトに合うカートリッヂやトーンアームやターンテーブルを見つける事だ。私はオーディオをはじめてから今年で30年になる、当時は物凄い数のカートリッヂがあった。
値段も様々だった。
アナログは間口が広く選択肢がとても多く、趣味としてはこちら側が音に関われるオーディオの中で唯一の機器だ。
だから、とてもワクワクして夢があった。
でも今は当時に比べほとんどないと言った方が良い。しかし、もうないのだから仕方がない。
カートリッヂは、大きく分けてMMとMC(他にも色々ある)に分かれる。
しかし、その両者には物凄く音の差がある。
これは構造上の問題だが。MM型は一般的に値段も安く、針が折れても、簡単に差し替えられる様になっていて、出力が高くフォノ端子にそのまま繋がる、針圧も比較的軽く、音溝に対し針先が動きやすく、トレース能力が高いが、高域に少し跳ねて突き抜ける様な、クセを感じる。
MCは値段が高いイメージが最近は特にある、構造上針交換は出来ず、本体を店に持っていき、新品を針交換の値段で購入しなければならない、しかも出力が低く、フォノ端子の前に電圧を上げるためのトランスやヘッドアンブが必要になる、アンプに内蔵のものでもよいと思う、針圧も比較的高めでトレース能力は少し落ちるが、そのどっしり腰の座った自然な音には安定感を感じる。
どちらを選ぶかは貴方しだいなのだが、マニアを自称するならば私はMCに音質の軍配をあげさるをえない。
やはり説得力と満足度が違うのだ。
後はなんといってもトーンアームだろう、プレーヤーに付属されてるもので満足ならばそれで良いと思うが、やはり私はこだわりたい、様々なトーンアームがあり神秘的だ、大きく分けてスタティックバランス型と、ダイナミックバランス型に分かれる。
ダイナミックバランス型は比較的使いやすいが、かなりアバウトな面もある。
スタティックバランス型はそう簡単にはいかない。
トーンアームは先ずレコードをターンテーブルにのせて、正確に針圧をかけた状態で水平でなくてはならない、その上インサイドフォースキャンセラーやラテラルバランスも付いていて、非常に調整が難しい、その調整能力がそのまま貴方の音の実力となる。
だからアナログはやめられないのだ、カートリッヂを選びヘッドシエルを選び、トランスかヘッドアンブにするかを選び、アームやターンテーブルも選び、やる気になればキャビネットまで自作出来る。
オーディオ機器の中でこれほどマニアックで素人がいじれる機器は他にない。
実に深く遣り甲斐のあるところだ、しかしバッチリ決まると、これはとても素晴らしい音になる。
個々に微調整してその音を競いあう、正にガチンコ勝負だ。
私のトーンアームはオーディオテクニカのAT-1005Ⅱである、個人的に思うに感度が優れていて使いやすいからである。
高ければ音が良い、安いから音が悪いは一切ない、総ては個々の調整の精度で決まる訳だ。
私はターンテーブルだけで30台は使ってきた、トーンアームは数え切れない、ターンテーブルはマイクロに始まり、ガラード、トーレンス、テクニクス、ロクサン、リン、YAMAHAなどあげたらきりがない。
しかしその中のどれ一つをとっても、総てがある意味とても素晴らしかった、今一度やってみたいのはやはり、リンのソンデックLP12である、こちらの技量を試されるとても難しいターンテーブルだった。
精度が素晴らしく、静かでとてもダイナミックレンジが広い、総てがスプリングで微妙にフローティングされていて、それらが引っ張り合い、一点をこちらが作らなければまともにすら鳴ってくれない。
ある意味、軽い、神経質なじゃじゃ馬であった、今ならば確かに簡単ではないが、鳴らせる自信がある、でも人間、一旦手放したものに再び立ち返りたくないその心境お分かりいただけるであろうか。
一度別れた恋人は再び意気投合し、再度付き合ってみても多分上手くいかない、私はそう思う、それと似た感じがするのだ。
今写真にある、スコットハミルトンがアナロクでとても素敵に鳴っている。
スコットハミルトンは何度聞いても私のピカ一である。

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